思いをかたちにしていくことが
建築の魅力

藤井 裕子
設計部 2006年入社
工芸科学研究科建築設計学専攻

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哲学的側面からも建築を考えるおもしろさを学ぶ

建築・設計という分野を志望した動機を教えてください

動物が好きでずっと獣医になりたかったのですが、たまたま見たテレビが、進路変更の契機になりました。その番組では、大学院生がまち歩きをしながらフィールドワークをしていたのですが、その様子がとても楽しそうだったんです。美術や理数系も好きだったことに加え、その頃、父親が建てた実家に納得いかないところがあって、いつか自分で家を建てたいという思いなどもあり、高校3年の夏に獣医から設計者へと志望を変更しました。
入学した京都の大学は、美術や哲学的な観点も含めた建築教育に取り組んでいて、私自身、工学的なだけでなく、哲学的な側面から建築を考えること、そのおもしろさを学びました。
建築は、そのまち、その場所にあってこそ価値がある。それがあるべき姿ではないかという思いがあって、学生時代に建築家のアルヴァロ・シザの作品を見に、ヨーロッパに出かけたこともありました。建築とまちの関わりという点は、今も自分のなかでいちばん興味があるところです。

入社のきっかけは?

当社に入社していた研究室のOBの話から、会社によいイメージを持っていました。あと、院生のときに、大学の非常勤講師を務めていた社長の授業を受けていたので、その人柄を通じて会社に親しみを感じるなど、人との出会いが大きかったですね。会社には大学の同窓生が多く、数年に一度、食事会をしています。
アトリエ系でなく、組織設計事務所を志望したのは、たくさんの人がいる環境のなかでいろいろな仕事がしたかったからです。設計者を目指したきっかけのひとつは個人住宅でしたが、最終的に興味があるのは公共建築なので、公共的な仕事を多く手がけている点でも、会社を選ぶ基準になりました。


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部を超えたコミュニケーションができる

入社当初はどんな仕事をしましたか?

東京事務所に配属になり、学校の設計に関わっていました。入社5~6年目に、担当していた学校関係のプロジェクトが一時延期になり、ちょうどプロジェクトが重なり人手不足だった名古屋に出向したのですが、その後、希望を出して名古屋事務所への異動を認めてもらいました。
東京と名古屋では、規模やオフィスフロアの構成が違います。名古屋事務所は1フロアなので、ちょっとした相談や、部を超えたコミュニケーションがしやすいです。電話や打ち合わせの様子から、同僚の仕事の状況もなんとなくわかっていて、互いに協力し合えるのも、1フロアだからこそでしょう。
私は育休から復帰後は時差勤務をしており、時間的制約もあるため、前倒しでの仕事を心がけています。子どもが熱を出すなどの不測の事態に備え、スムーズに業務を進めるためには一緒に仕事をするメンバーとの密なコミュニケーションが大切だと感じています。

仕事のおもしろさ、やりがいはどんなときに感じますか?

建築っておもしろいなと思うのは、関わったみなさんがそれぞれの立場から、"自分がこの建物を手がけた"という意識を持っていることです。たとえば庁舎なら、市長も、各部署の方も、現場の職人さんも、みなさん自分がやったと口にされる。建築にはいろいろな段階があって、みなさんが一緒に仕事をする場は少ないものの、それぞれに自負心を持っているので、そういうことばを聞くと、私もみなさんが誇りに思う建物を設計したいなと思います。
建築は、ものとして建ち上がってくること自体にも魅力がありますが、そのプロセスにおいて、みなさんの思いをかたちにしていくことも、この仕事の醍醐味です。ただ話をしているだけでは出てこないみなさんの潜在的な思いも、こちらの投げかけ方によって引き出されるものなので、そういった、まだことばになっていない思いを受け止めて、かたちにするために最大限、想像力を働かせることが、設計者の重要な役目だと思います。


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配慮が必要なひとたちが、暮らしやすい環境づくりを

今後、どんな仕事をしてみたいですか?

学校の設計と合わせて、今後は福祉や障がいなどに関わる建物の設計に携わりたいです。身近な話でいえば、祖母が入所している施設なども、もっと楽しく、その人らしく生活できるのでは、という思いがあります。
配慮が必要なひとたちが、社会のなかでよりよく暮らすために、どんなことができるか。そういうことに目が向いたのは、出産を経験したこともどこかで関係しているかもしれません。産休中に福祉住環境コーディネーターの勉強をしていたので、社会問題により体系的に手を打つためにも、福祉関係の事業者の方と共に、建築を通じてできることをやっていきたいと思っています。

入社希望者へのメッセージを

組織設計事務所といっても、最終的に求められるのはやはり個人の能力です。担当者として自分の思いをきちんと提案し、それを理解してもらえれば、設計においてはトップダウンということはなく、個人の裁量が認められている会社です。社長は、建築を通じて社会・地域へ貢献しようという意識が強く、会社で音楽コンサートを主催しているほか、地域のイベントにも積極的に関わっているので、そういうあり方や思想に共感できる人は、そこでもやりがいを持てるのではないかと思います。


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関わったプロジェクト:日進市立竹の山小学校・日進北中学校
関わったプロジェクト:日進市立竹の山小学校・日進北中学校
関わったプロジェクト:小牧市立小牧小学校
関わったプロジェクト:小牧市立小牧小学校