空間の心地よさを生み出す
設備設計

河内 悠磨
環境・設備部 機械・電気担当
2010年入社
工学研究科建築学専攻

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絵と数学が好きで建築の道へ

設備設計という分野を志望した動機を教えてください

小学校に入学する以前から絵を描くことが好きでしたが、高学年になると数学も好きになって、絵と数学の両方を活かせる分野として結びついたのが建築でした。大学は建築学科に進みましたが、意匠設計は、建物の評価が個人の好みに左右されるような気がしてしまって。いろいろ考えたとき、計算によって物事を予測、理解できるだけでなく、空間の心地よさを理詰めで確実に生み出すことで、人びとの快適さにつながる設備設計のほうが自分に合っていると思い、設備の道を選びました。入ってみると思っていた以上に、人や生活や社会について考える仕事でした。

入社のきっかけは?

大学の講師の方から、社長が大学の同窓だと聞いたことから、就職先として、自分のなかでまず挙がった候補が当社でした。面接で感じたのは、すごく頭のいい人たちがたくさんいる会社だな、ということです。大学の中で付き合う大人も、頭が良く個性的な人が多かったけれど、企業で技術を突き詰めている人たちも、いろいろなことを幅広く眺めながら、バランス感覚を持っていて、知性的でかっこよく映りました。

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建築主と価値観を共有し、最適解を提案する

設備設計の仕事をする上で、大切だと思うことは?

ある空間を快適にするためのやり方や判断軸は、いろいろあります。たとえば将来、その空間の広さが変わる可能性があれば、フレキシブルなシステムを組むべきだし、部屋にいる人が自分で自由に操作できるものが良いときもあれば、気づかないうちに調整されているのが好まれるときもあるでしょう。対峙している建築主にとって、メリットになるのはどういう建物か、彼らが何を求めているか。価値観を共有しライフサイクルコストも検討しつつ、最適解を提案します。
また環境のために我慢を強いるソリューションは避けたいと考えています。ある大学の研究では、環境負荷を抑えるために夏場、室温設定を1℃上げることによるエネルギーコスト削減額に対して、知的生産性の低下による損失額を比較すると、ゼロ2つ大きいというデータもあるようです。快適性を損なうことによるオーナー側のデメリットは小さくありません。今後、日本の人口減少の流れの中で個人のパフォーマンスの価値が上がるはずなので、そこに建築がどう働きかければよいか。環境対策に加えて、これからはそういう視点で様々な業種が研究を進めるでしょう。建築界にかかわらず、いろいろな事例を見ながら、要求にわせてアッセンブルするのが、自分の務めだと考えています。

仕事のおもしろさ、やりがいはどんなときに感じますか?

いろいろな用途の建物を担当させてもらえることはありがたいですね。もっと大きな事務所だと、効率を重視して庁舎担当、空港担当ともすればトイレ担当などと、分業して担当者が決められてしまうところもあるようですが、僕はこれまでに駅、空港、庁舎、博物館などを担当させてもらいました。プロジェクトによって建築主の生業はそれぞれで、それに応じて考え方も変わってくるので、すごく勉強になっています。

最近の仕事について教えてください

前橋地方合同庁舎の設備設計を担当しました。前橋は赤レンガを基調としたデザインの建築が多いまちです。意匠の特徴である赤レンガに穴を開けて水を通し、レンガの表面から水を滲出させることで温度を下げようと、設備と構造をはじめ、多くの人の知見を合わせて取り組みました。難易度は高かったですが、意匠、設備、構造とも若い担当者が中心になって仕上げたプロジェクトでした。
最近は海外のプロジェクトも少しずつ増えていて、去年はインドネシアの在来線の駅舎の仕事で、ジャカルタに足を運びました。海外で求められる設備の仕様は、日本と比べれば初歩的なものですが、日本とは違う難しさがあります。法律が違う、現地の人の感じ方や工事をする職人の技術力が違う……スタート地点やバックグラウンドが異なるなかで仕事をすることで、自分の世界が広がる点が、海外プロジェクトに関わるおもしろさですね。

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設備担当者にとって難易度の高い施設を設計したい

職場の雰囲気を聞かせてください

社内はすごくフラットです。上の人にも思ったことをいいやすいですし、他の部門の人ともフラットに話ができます。スケジュールが押したり、意匠本意の変更で最終的に設備担当者がふりまわされるという会社もあるようですが、そういうこともありません。お客さんにとってどうするのがベストかを中心に物事が進む、そんな土壌のある会社です。

今後、どんな仕事をしてみたいですか?

設備の世界だと、工場など生産系の施設や病院は難易度が高い建物なので、経験しておきたいです。すばらしい建築をうみだすというよりも、まずは喜ばれるものを、心地よい空間を作りたい、そう考えている人たちと協力しながら、仕事ができればと思っています。

入社希望者へのメッセージを

設計者に必要なのはやる気です。難題に直面したとき、前向きになれるのも、周囲ときちんとコミュニケーションを取ることも、目の前の課題に対するやる気の表れです。やる気がある人と一緒に仕事ができればと思います。

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関わったプロジェクト:前橋地⽅合同庁舎
関わったプロジェクト:前橋地⽅合同庁舎
ジャカルタの現場にて
ジャカルタの現場にて