脇 宗一郎

企画部

工学部建築学科

まちを歩き、気になる建物を撮影していた新人時代 

建築・設計という分野を志望した動機を教えてください 

絵を描くことやものづくりが好きで、建物や空間にも興味があったので、その延長線上で建築・設計の道に進みました。入社後4~5年くらいは休日になると、全国各地のまちを歩いては気になる建物の写真を撮っていました。同業他社の仕事への興味もありましたが、建物やその内部空間を見ることが純粋に好きだったんです。中でも槇文彦氏が設計した「風の丘葬斎場」は印象に残っています。当時はデジタルカメラもなかったので、ネガをプリントしていましたね(笑)

企画部に移るまで、どんな仕事をしてきましたか? 

大阪、東京事務所の設計部にそれぞれ10年在籍し、企画部に移りました。最初に配属されたチームは、主に文化施設を手がけていたので、ホールや図書館を中心に、オフィスや研究所などを設計しました。東京事務所では、官庁施設のほか、再開発の超高層施設を担当して、地権者の方とも関わりながら仕事を進めました。その後、中国の高級ホテルの設計業務で、中国に8ヵ月ほど赴任しました。東京に戻ってしばらくしてから企画部に移籍し、今は国内の民間企業の企画営業を担当しています。

“こんなことをしたい”に応えるべく、サポートする 

最近の仕事について教えてください 

最近は日本の企業が海外に進出する際のサポートもしているので、海外案件が少しずつ増えている状況です。たとえば日本のホテル企業が海外進出を検討する際、法律にしろ、現地の人たちの考え方にしろ、日本と異なることが多いので、彼らがどのようなホテルを開業しようと考えているか、顧客に寄り添ったお手伝いをさせてもらっています。

現地の実情を掴むだけでなく、その情報が確かなものかどうか、話の裏を取るために何より重要なのは信頼できる仲間です。海外のマーケットは増えているので、情報収集しながらニーズを汲み取ることが、次の仕事へとつながっていくのではないでしょうか。

仕事のおもしろさ、やりがいはどんなときに感じますか?  

どんな仕事でもさまざまな調整作業があります。建築主の”こんなことをしたい”という相談に対し、これまで培ってきた経験や仲間を通じて調整しながら応えていく上では、マニュアルはありません。ニーズに応えるためにつねに手探りで考え、動くことで得た建築主からの信頼が、次の仕事につながっていくことがやりがいであり、おもしろさでもあります。

建築主と最初に打ち合わせをして、意図や要望を掴むのが企画部の仕事です。生の声を図面に反映し、おおよそのプランや予算、スケジュールを作成して”こんなことができますよ”と、提案しますが、この人たちとこんなふうに仕事ができたら楽しそうというワクワク感が、仕事のモチベーションになっています。

建築主との信頼関係が大切

企画の仕事をする上で、大切だと思うことは? 

建築は、完成した商品を販売するものではないので、”この人だったら大丈夫”と、建築主から信頼されることが大切だと思っています。一緒にものづくりをする仲間として、互いがWINWINの関係になるように、開示できる情報は開示して仲間をつくるというスタンスでいれば、信頼関係ができ、情報も入ってくると思います。

入社希望者へのメッセージを 

いろいろな用途・規模の建物の設計をできるのは、組織設計事務所ならではの魅力です。また組織とはいえ、努力次第でやりたいことができるように、最終的にどこまで仕事をするかは自分次第です。ものづくりに対して、自分はこうありたいという強い思い、信念を持ち続けられる人と、一緒に仕事ができればと思います。

2017.8

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