建築から学ぶこと

2016/10/05

No. 542

百年目の記憶

来年2017年はいろいろな節目がある。100年前の1917年は一年を通じてロシア革命の年で、終わってみればソヴィエトの権力が確立した。もちろん現代史を大きく動かした出来事で、その後の幻滅、解体については誰もが知っている。つまり、100年を祝うには至らなかった。それは、レーニンのカリスマによって国が開幕し、ゴルバチョフをリーダーに選んだことで戦乱を伴わずに国が閉幕したという、逸材がプロローグとエピローグを飾る歴史であった。
同じ年、日本建築協会が第一次大戦後の好況下にあった春、大阪で設立された。そして当時の建築界を横つなぎし、社会的提言をおこなう新勢力となった。こちらは創設者・片岡安(1876-1946)の長期的視野が生きて、団体は着実に活動を続け、節目の日に100周年式典を催すところまで来た。さらに遡ってみると、200年前にはニューヨーク証券取引所が開場した。この時点ではフロリダもテキサスもカリフォルニアも米国のものではないが、ずっと国を支え続けている。株取引のスタイルも大きく変化したが、相変わらず経済成長と変調の最前線にいる。
さらに、500年前は宗教改革の年でもあった。その年、ヴィッテンベルク大学教授であった生真面目なマルティン・ルターが扉に貼り出した95か条の論題が、徐々に大きなうねりを引き起こした。その後カトリックとプロテスタントには深刻な対立が続き、別々に理論構築の歴史を歩んだ。それは思想や哲学、経営論に至る幅広い分野に影響を与えた。もっとも、この50年のなかで融和・協調の傾向が生まれているので、100年前とは空気は異なった節目となるであろう。いずれにせよ、創設の青雲の志は長い歴史をともに歩み続け、いまも重要な鍵を握っている。

佐野吉彦

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