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阿久比町新庁舎 多目的ホール・食堂棟で全体完成(その1)

当社が設計・監理を担当した愛知県阿久比町の新庁舎建設工事。2016年1月には先行して庁舎棟(全体の約2/3)が完成し、供用を開始しておりました。当コーナーでも2015年12月にレポートしております。
その際、残りの1/3にあたる「多目的ホール棟」「食堂棟」の2期工事の継続をお伝えしましたが、このたび全工程が完了し、3月30日(木)に「完成記念式典」が、4月8日(土)には町民とともにお祝いする盛大なオープニングイベントも開催されました。以下、今回完成した多目的ホールを中心に写真でご紹介します。

整備されたアプローチからの全景(写真提供:阿久比町)

2期工事では既存の旧庁舎やプールを解体した跡地に「多目的ホール」「食堂棟」「倉庫棟」「外構」を整備し、補助対象事業として、風力ソーラー灯なども設置されました。
特に今回の全体完成において、「みんなの広場」を中心に町民が利用しやすいパブリックゾーン(ホール、ホワイエ、食堂)が集約され、さらに「縁側モール」(大きな軒下空間)で敷地内の新旧施設がつながり、全体の一体感や利便性が向上しました。

左:手前;庁舎棟から奥;食堂棟まで「縁側モール」がつなぐ/右:南側ホールのエントランス

3月30日(木)の完成記念式典では関係者400名ほどが集まり、阿久比中学校吹奏楽部の演奏とテープカットで開式。
町長からも設計・工事関係者に感謝状を授与いただき、当社社長・佐野から「町民に長く愛される建物になって欲しい」謝辞をお返ししました。そして町民公募で決定した多目的ホールの愛称が『アグピアホール』と発表されました。ホールは旧中央公民館南館(工事にて既に解体)と同様、町民のサークル活動の場となる「公民館」としての使い方をベースに、移動観覧席や昇降床によって多様な使われ方が可能な仕掛けになっています。
ホールの緞帳にはデザイン「阿久比の誇り」が、2階ロビーの壁面(写真右)にはアート作品「光のシンフォニー」(夜間には発光)があしらわれ、阿久比の活気(祭り)と豊かな自然(ホタル)や文化へ賛歌、幸せへの願いなどが込められています。

ここで、アグピアホールが“多目的”(平土間使い→段床客席使い)に変化する動きをご紹介します。(竣工前3月の社内視察会写真から)
1-(左)ホール前面舞台奥のパネルを開放し、(右)後部はホワイエ境界との開口をスライディングウォールで閉じます。
2-(左)ホール前面に収納されたロールバックチェア(赤枠:移動観覧席のユニット)が電動で引き出され、(右)ホール後部へと移動します。
3-(左)段々に椅子が引き出され段床の客席(270席)となります。(右)さらに平土間の昇降床が上がり、ここにも椅子(スタッキング)が格納されています。
4-(右)昇降床が下がるとステージ面より低い(-800mm)客席エリアが生まれます。130席分のスタッキングチェアが並べられると合計400席のホールになります。
5-(左)緞帳-幕が降りた状態。(右)幕が上がり、平土間レベルが舞台となって活用。文化祭など町民活動の発表の場となるイベントや各種式典等に有効なスタイルです。
なお、ホールのホワイエにおいては、ホールの「段床客席使い/平土間使い」の変化に応じて、以下のようになっています。

ホールが「段床客席使い」の場合のホワイエ(撮影:エスエス名古屋)

上写真のようにホールが「段床客席使い」の場合は、ホール内の催し(講演・式典等)とは一線を画し、明るくくつろげるロビーの雰囲気です。
一方、下写真のようにホールが「平土間使い」の場合は、ホールとホワイエ間のスライディングウォールを開放でき、ホール~ホワイエ~外部「みんなの広場」が連続し、開放的な屋内外一体使いのイベント時に有効なスタイルとなります。これは災害時の町民の一時避難場所として使う場合にもたいへん有効なスタイルとなります。

左:平土間のホールとホワイエが連続する(撮影:エスエス名古屋)/右:ホワイエから縁側モール越しに「みんなの広場」を望む。内外の一体感。

左:楕円形の食堂棟屋上には「縁側モール」とつながる屋上庭園/右:アグピアホール屋根には太陽光発電パネルを設置。

食堂棟(カフェ・レストラン)「桜坂」も町民の新たな憩いの場になります。
こうして2期工事の完成、阿久比町新庁舎建設プロジェクトの全体完成により、当初掲げた以下3つの基本方針が実現されています。
1-町民が交流・参加できる多目的ホールを併設した複合型庁舎
2-安全・安心で利用しやすい防災拠点となる庁舎(免震構造・耐震Ⅰ類確保等)
3-環境に配慮した効率的・経済的な庁舎

プロポーザルの特定から計画・設計・現場調整を重ね、全体完成に至るまでたいへんお世話になった関係者のみなさまに心より御礼申し上げます。
4月8日(土)の盛大なお祝いイベントの模様は(その2)でお伝えします。

 

(安井建築設計事務所 設計担当・広報部)

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