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阿久比町新庁舎 多目的ホール・食堂棟で全体完成(その2)

当社が設計・監理を担当した愛知県阿久比町の新庁舎建設工事。庁舎棟に続く2期工事「多目的ホール棟」「食堂棟」の完成により、今回の全プロジェクトが完結しました。当レポート(その1)に続き、4月8日(土)たいへんな盛り上がりを見せたオープニングイベントの模様をお伝えします。

イベント当日の空撮(撮影:KURIO)

空撮写真からもわかるように全体完成した施設は南(写真左)から、食堂棟「桜坂」~アグピアホール+手前「みんなの広場」~庁舎棟~中央公民館(既存改修)が、曲線を描く「縁側モール」で一体的に結ばれています。町民の交流拠点として「みんなの広場」を中心に位置づけています。

上段の車寄せ車路-下段の駐車場との擁壁には縦ストライプのリブを施し、建物外装のリブとデザインの調和を図っている。(撮影:KURIO)

外構計画では段差のある敷地を既存駐車場にもつなげた利用しやすい駐車場計画で構成し、最寄り阿久比駅からの歩行者を迎える敷地南東角(写真手前)に、建物意匠にあわせたアプローチを設えています。

イベント当日は雨も心配されましたが、時折晴れ間ものぞく曇り空、プログラムは「山車(だし)祝い込み」から始まりました。
町指定文化財の5台の山車が特別のお祝いに新庁舎に集結。南駐車場に待機し、1台ずつ正面車寄せを駆け抜け披露し、引きそろえていきました。勇壮な掛け声と大勢の歓声から、地元の長い歴史に根付く「祭り」の活気を肌で感じることができました。当社の設計スタッフも家族と一緒に1台の山車引きに参加し楽しみを共有させてもらい、良い思い出になりました。
続いての「餅つき」では縁側モールの下を使い、町内各地区の代表がずらりと並んだ13臼の餅(阿久比産のもち米)を一斉につきあげました。縁側モールをこのようなイベントに利用できることを計画のポイントにしていましたが、想定通りの活用と町民のみなさんの楽しむ様子に、自然と嬉しさが込み上げてきます。
午後の「餅まき」までしばらく時間がありましたが、「庁舎パノラマ展望」として当日庁舎棟4階ロビーが開放され、多くの町民がエレベーターで“展望台”に上がっていきました。町の南東を一望し、豊かな自然と広がる風景を前に小さなお子さんも大喜びでした。
当社でこれまで多くの庁舎を設計した中でも、小高い丘の斜面、庁舎という町民のシンボル的建物の敷地としては、人、車、鉄道、どのアクセスからも「目立つ」最高のロケーションに恵まれました。設計のモチベーションを高める意味でも大きな要素となりました。

いよいよお楽しみの「餅まき」の始まり。オープニングには舞踏チーム「あぐい騰」がパフォーマンスを披露し、町長やゲストの愛知県知事ほか町関係者が縁側モール2階の縁側テラスに並んでスタンバイ。安全に配慮し、未就学児、小中学生、一般男・女と、4回に分けて行なわれました。「みんなの広場」に超満員の人・ひと・ヒト。
参加者の楽しそうな笑顔と真剣な様子は、結果(袋いっぱいに集めた餅)がすべてを物語っていました。当社のスタッフも・・・。「餅まき」が終わる頃に雨が降りはじめ、なんとかメイン行事まで予定通り行われました。

設計者にとって、建物が完成しユーザーに喜んでもらえることが達成感を享受できる何よりの瞬間です。今回のイベントでこれだけ多くの町民が集まり、新庁舎全体の完成を祝う喜びと期待を間近で感じられたことは、今後の当社の設計活動において大きな財産にもなります。
夕方には「アグピアホール」のこけら落とし公演として、阿久比高校卒業で歌手のKeiko Lee(ケイコ・リー)さんによるジャズライブコンサートが行われました。抽選で当選した方々でホールは満席。
演奏後「とても良いホールでしたよ」と一定の評価もいただけたようです。
会場を巡りながら、来場者から「こんな立派な建物、阿久比じゃないみたい」という声が聞こえてきました。のどかな町に、ある種近代的な建物が完成した率直な感想なのかもしれません。
しかし、町民への行政サービスに必要不可欠な存在であると同時に、この日のように町民が楽しく活用する機会を今後重ねていくことで「わが町の」意識が深まり、「町民に愛され続ける庁舎・ホール」になっていくことを心から願っています。

 

(安井建築設計事務所 設計担当・広報部)

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