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第14回社内表彰に7点を選定

安井建築設計事務所では、事務所としてより一層の技術力向上を目指し、社会資産ともなる高い品質の建築とサービスを提供することを目的に2005年より社内表彰制度を設けています。このたび第14回として3部門(プロジェクト部門/プロセス部門/BIM部門)から計7点を選定し、表彰しています。
今回のテーマは『原点回帰』。社会基盤を支える建築を創り続け努めてきた当社93年の歴史は、現在の当社の大きなモチベーションの一部であり、所員個々の中にあるモチベーションにも歴史が積み重なっています。そこにある一人一人の「原点」を再認識し、高いモチベーションを持って世に送り出された意欲作、原点が垣間見えるような設計プロセス、これからの原点になるようなBIMの取り組みを募集し選定しました。
7点はいずれも「原点」を想起するエネルギーにあふれた意欲的なものと評価し、何よりもこの取り組みを与えていただいたクライアント各位に感謝し、以下に公表いたします。
(プロジェクト名/建築主)

<「プロジェクト表彰」部門>・・・各解説は社内評より
◆神戸医療イノベーションセンター/株式会社OMこうべ

撮影:エスエス大阪支店

神戸のメディカル研究拠点のさらなる集積を先導するパイロットビルとして、ポートアイランドの京コンピュータ前駅前に建設されたレンタルラボ。
機能性・効率性を追求した平面と必要なボリュームで素直に構成した立面、研究対象である細胞をモチーフにしたデザインコードを内外装やサイン、ランドスケープに至るまで展開し、駅前に向けたインパクトあるファサードを形成した。また、地区のメイン動線となるペデストリアンデッキを中心に入居企業、来訪者、地域の交流スペースを建物内外に立体的に構成して、“人と人” “人と街”のコミュニケーショナルな空間づくりも試みられている。
“みなとまち神戸”の新しいランドマークとしての訴求力を機能と融合させた計画で達成したこと、また、短工期設計をBIM活用プロセスで実現したことも評価された。
関連ページTODAY!:神戸医療イノベーションセンター(KCMI)が完成しました

 

◆三重交通G スポーツの杜 伊勢 陸上競技場/三重県

撮影:リフレクト

平成33年の三重国体に予定された県営競技場のメインスタンド改築を含めた全面的リニューアルプロジェクト。
設計のポイントは、木組の伝統技術をイメージさせる印象的なメインフレームや、屋根の架構形態により即外観デザインとしている点である。カバーや化粧は一切施さず、構造体を形成するコンクリート、スチール、木の素材そのものの質感を大切にし、活かしきって生んだ凛とした存在感により、伊勢神宮の持つ“素の美しさ”を想起させるものとして、伊勢らしさにつなげている。
自然景観との調和や地域性の表現という課題を、競技場スタンドに特有な大架構そのものの合理性を追求しデザインに昇華させて解決したこと、サスティナビリティ―も図った県産木材の効果的な採用やBIMを多岐にわたり活用する設計プロセスで魅力を増大したことが評価された。

 

◆日本橋税務署耐震改修/国土交通省関東地方整備局

撮影:エスエス東京支店

東京中央区の都心に位置する税務署の庁舎である。
日本における建築物という社会資本に対する利用価値を見直す潮流は今後益々強く、深くなるものと考える。循環型社会における大事な要素である一方で、非常に難しいものでもある。まずはそのチャレンジが大きな意味を持っている。
柱頭免震をレトロフィットで行うだけでなく、外装改修によって街並みとの調和や建物の軽量化など総合的な検討が良い結果となっている。都心における良き前例であり、今後の改修計画における先導的プロジェクト、今後の原点になりえるプロジェクトとして評価された。

 

◆阿久比町庁舎/阿久比町

撮影:エスエス名古屋支店

新庁舎は成長するまちの活動拠点及び防災拠点として、多目的ホール併設の複合型庁舎として整備された。敷地中央の芝生広場“みんなの広場”を囲む形で、庁舎ロビー~ホールホワイエ~食堂棟を配置し、半屋外の連続した軒下空間“縁側モール”でこれらの新施設から既存中央公民館までをつなぐことにより、施設の一体感や動線の連続性を大きく向上させている。
また、縁側モールに面して多様なスタイルの談話の場も随所に提供し、屋内外一体の明るい交流の場を展開し、人々が気軽に回遊し立ち寄りやすい雰囲気としている。
2017年春、全体完成の記念イベントに詰めかけた町民の盛況ぶりに、庁舎建設の枠を超えた並々ならぬ人々の想いと期待の大きさを感じた。この拠点がまちの成長に寄り添い続け、人々の想いの拠り所であるといった庁舎の「原点」の1つの姿を実現した庁舎となっている。
関連ページTODAY!:阿久比町新庁舎 多目的ホール・食堂棟で全体完成(その1)
 
<「プロセス表彰」部門>
◆サントリーホール30周年改修工事/サントリーホールディングス株式会社

撮影:黒住直臣

1986年の竣工から30周年という大きな節目をむかえた後の改修計画。
新築当初の機能性、ホールとしての性能、意匠性の全ての点で忠実かつ、丁寧に継承された。
我々の原点がどこにあるかの探求には答えがなかなか見つかるものではないが、一方で我々が生み出した建物の中にその答えのヒントは満ち溢れている。
その一つ一つを丁寧に拾い上げ、30年の間の変化を観察し改修されている。椅子の張地一つをとっても多くの時間と知恵が使われている。
建物を原点回帰させながら次世代に継承していくという意味深い挑戦とともに、我々の原点がどこにあるのか考える大きなヒントとなる挑戦であると評価された。

 

◆安井武雄展「建築家・安井武雄の創造力-近代大阪の精華-」/大阪府立中之島図書館指定管理者株式会社アスウェル共催

ポスターデザイン:岩松亮太

当社創業100周年(2024年)という大きな節目に向けた準備として、一定の成果を出した創業者安井武雄に迫る展覧会の企画・立案・実施のプロセス。
関西の建築史家の第一人者(石田潤一郎氏)らを監修者に招き、社内では横断的な実行組織を立ち上げ、それぞれのスタッフが培ってきたネットワークや実績が存分に活用された。また、来場者とのコミュニケーションを目的としたギャラリートークの開催など、短い開催期間であったが多くの来場者を動員した。
図書館という公共施設での開催、一般紙によるメディアPR等が奏功し、当社の企業ブランド向上に大きく貢献した。また、社員一同が創業の原点に立ち返り、来るべき新時代に向けての推進力につなげたことが評価された。
関連ページTODAY!:内覧会で石田教授と佐野が対談『建築家・安井武雄の創造力~近代大阪の精華~』展
 
<「BIM表彰」部門>
◆KDプロジェクト
対象の某庁舎は、常時稼動し続ける業務の特性から、これまで全体的な内装改修が行われていない。執務室内の設備機器の更新、及び社会情勢の変化に対応した高度な機能が要求され、計画的な全面更新の設計を当社が担当することとなった。
改修に当たり、機能の維持のみならず、ライフサイクルコストの削減、利便性、執務環境、耐震性能の向上、安全・安心のための新たな機能の充実、長寿命化を推進するための、効率的・計画的な改修をもとめられた。職員の居ながら改修であることから長期間となり、大規模で複雑となる改修計画において、BIMを計画検討、コスト算定、作図、プレゼンテーションと初期段階から多角的に活用したことが、これからの改修設計の原点となる効果的な活用法であると評価された。また、BIM活用により作業の効率化が図られ、限られたスタッフで計画をまとめた点についても評価された。
今回の表彰プロジェクトから、これまでに培ってきた建築設計の技術、そして、新たなICT/BIM技術やマネジメントビジネスは、今後の当社にとって不可欠な事業と位置づけています。今後も顧客満足度の高い建築創りに努めてまいります。
 
(安井建築設計事務所 広報部)

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