学生が集まる場所の多様性こそがキャンパスの豊かさのひとつと考え、ひとつ屋根の下、テラスや外部階段、吹抜のあるラウンジ、光を取り込む内部空間など、学生のにぎわいや活動を生み出す場所を建物内外に配置した。相互に重なり見え隠れする学生生活の風景が、新しい校舎のかたちとなることを意図し、内部空間には各階にラウンジスペース、共用部や廊下にはベンチやカウンターを設け、新たな交流や出会い、能動的な学び・語らいの場をつくった。外壁は近畿大学の伝統である赤レンガ調のタイルに、打放しコンクリートとガラス素材を付加した現代的な構成とした。隣接する「BLOSSOM CAFÉ」(2010年竣工:当社設計)と一体となり、水平方向を強調した深い陰影のある大庇のデザインが、キャンパスにゆったりとした落ち着きを与えている。