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建設通信新聞セミナー「国交省BIMのインパクト」(2014)に安井・村松が登壇しました

今年度、当社「創立90周年事業」として、さまざまな活動を発信していきます。その一環、当社の培った技術をご紹介する機会として6月17日の当コーナーでお知らせしました、日刊建設通信新聞社主催のセミナー「国交省BIMのインパクト」で、当社常務執行役員の村松弘治が登壇しました。

7月17日(木)に東京虎ノ門の東京消防会館:ニッショーホールで開催された同セミナーは昨年5月にも同様のタイトルで開催され、BIMの普及・進展とともに継続的に開催されています。

 

当日は募集定員350名を拡大した450名ほどの参加者が会場を埋め、年々強まるBIMへの関心の高さが感じられました。村松は第2部のシンポジウム、国交省のBIM試行プロジェクトとして注目されている「前橋地方合同庁舎」についてパネリストとして参加しました。

<第1部>では、国土交通省の山田 稔氏(官房官庁営繕部整備課施設評価室長)の「BIMガイドラインに込めた発注者の思い」と、法務省の那花弘行氏(官房施設課施設設計調整官)の「法務省にみるBIM活用の有効性」の2本の基調講演が行われました国交省の山田室長は、建設中の前橋地方合同庁舎で実践するBIMの取り組み説明とあわせ、4月から運用を始めた「BIMガイドライン」の留意点を解説されました。

「前橋」に関しては、先般、国交省のBIM試行プロジェクトとして竣工した「新宿労働総合庁舎」、「静岡地方法務局藤枝出張所」よりも試行内容を前進させ、構造の実施設計図作成をはじめ、干渉チェックでは意匠・構造に加え機械・電気設備でも実践したことなどを説明。9つの入居官署との調整で3次元モデルを使って分かりやすい説明ができたことを踏まえ、維持管理へのBIMデータの流通が今後の重要テーマになることを強調されました。

那花氏からは、法務省が国交省の試行をきっかけとしてBIM導入に踏み切った経緯を説明。矯正施設などで進めているいくつかの試行プロジェクトが紹介されました。設計の段階でよりリアルな状況を把握できるBIMは最適な管理ツールとの認識を示し、維持管理段階での高度な使い方にも可能性があることを示唆されました。

第2部で「前橋」の取組みを開設する村松

第2部で「前橋」の取組みを開設する村松

<第2部>のシンポジウムは前橋地方合同庁舎を題材に、第1部で講演の山田室長、設計者として当社の村松、施工者の五洋建設・中村氏(建築本部技術部BIM推進室長)、現場のBIM作業をサポートするペーパレススタジオジャパン(PLSJ)代表・勝目氏のパネリスト4名が、BIMの可能性と今後の課題について意見を交しました。

冒頭、村松から「前橋」でのBIM設計において、1ファイルで全データを整理・蓄積しながら複数案を検討したこと、特に今回は階高を抑えながらのボリューム検討から、設計与条件への対応、入居官署の占有面積・プランニング調整などを短時間でまとめあげたBIMの効果を説明しました。

 

当然BIMが得意とするさまざまなシミュレーション(景観、環境、省エネ等の見える化)とあわせ、コスト算出の精度も上がってきていることも示し、発注者・クライアントへ「コスト&バリュー」をBIMのメリットとして提供できることを伝えました。

 

また、現在は建物のライフサイクルにおいて大きなウエートを占める「維持管理」のフェーズでBIM活用の検討・実証を図っており、今後発注・事業者にとって重要な「事業計画策定や経営判断」にまでBIMが有効に活用できるとしたビジョンと期待を語りました。

 

次の施工、五洋建設・中村氏へのバトンタッチに際しては、設計時のBIMデータを施工へ活かすためのデータ作成要領、属性入力情報のルール化、LOD(Level of Development)の共有化が課題であると同時に、実行上重要なポイントであることを述べています。

続いて中村氏からは、「前橋」の施工におけるBIM活用の現状が語られ、3次元モデルからの施工図や総合図への展開、鉄骨データや鉄骨階段のデータを建築施工モデルに連携させるシステムの構築についての現場体制など説明されました。

今回BIMコンサルとしてPLSJ社サポートのもと、10名ほどのBIMチームが、BIMマネージャー、BIMコーディネーター、BIMオペレーターという人員で構成され、建築の知識を持った者とコンピュータースキルを持った者がうまく連携をとりながら進めていることを解説されました。

最後に進行役から4名のパネリストに、「BIMのメリット」「維持管理へのBIM活用の期待」「BIMガイドラインへの要望」について問いかけがありました。当社村松からは前述の通り、短期間でプロジェクトを高いレベルでまとめられるメリットがある一方、LODを意識したデータ入力方針の共有・ルール化を課題にあげました。

その他の回答からは、設計における効率化や関係者の合意形成に有効性を認識する一方、維持管理に活かすためにはデータ変換・管理の基準づくりなどに課題を感じ、民間からの推進力でも「BIMガイドライン」へフィードバック、ブラッシュアップしていくなど、BIM発展の可能性と期待を込めた結びとなりました。

 

(安井建築設計事務 所 広報部)

 

※写真撮影等、日刊建設通信新聞社の許可をとって掲載しています。

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