T O D A Y !

下呂温泉病院まもなく竣工 JIHa見学会実施

当社、安井建築設計事務所と熊谷設計のJVで設計・監理を担当し、建設が進められた「岐阜県立下呂温泉病院新築移転工事」。明日19日(土)に竣工式を迎える同プロジェクトですが、去る3月20日、JIHa:(一社)日本医療福祉建築協会主催の見学会で、当社の担当スタッフが施設をご案内する機会に恵まれました。以下レポートとしてご紹介いたします。昨年3月28日の当コーナーでも、「多床室的個室群」(5室1ユニット)のモデルルームで、その特徴をお知らせしています。

正面玄関口からの外観(撮影は晴天の3月11日)

正面玄関口からの外観(撮影は晴天の3月11日)

見学会は、ちょうど工事が完了し、建物が施工者から病院へ引渡された直後のタイミング、備品等の搬入で養生される前でもあり、内部はひじょうに見やすい状況でした。残念ながら当日は雨天となり、外部や屋上の見学は見送りとなりました。

 

はじめに当社のプロジェクト・設計担当の谷、篠原、東園が、病院と施工関係者に感謝の気持ちをお伝えし、施設・工事概要の説明を行いました。

何よりも病院としての安全性の面で免震構造を採用。プロポーザル特定からBIM(3D)での検証を重ねてきたこと、天井内配管・配線を3D化し、将来的な維持管理に役立てる準備に活用したことなどもお伝えしました。

 

1・2階の低層部から見学巡回はスタート。

後背地に「棚田」が広がる自然豊かな傾斜地に立ち、敷地の高低差を利用して1階を患者さん、2階を主としてサービスにと、明確に動線を分けています。

45度振ったプランは、開かれた眺望の確保と特徴的な外観をつくると同時に、内部では動線の中心となる「ホスピタルストリート」から各診療科の受付が見やすくなるメリットを生んでいます。

1階ホスピタルストリートから各外来ブロックの受付が目に入る

1階ホスピタルストリートから各外来ブロックの受付が目に入る

受付の壁面には既存の病院を写真に収め、デジタル加工したプリントを施しています。カウンターの腰壁(杉の県産材)とともに自然豊かな下呂のまちなみ風景を再現し、来院される方々をやさしく迎えています。

左:院内診療対応用出入口、右:夜間救急用出入口は寒さをしのぐ3枚扉

左:院内診療対応用出入口、右:夜間救急用出入口は寒さをしのぐ3枚扉

雁行する1階の外来ブロック(産科・小児・歯科、外科・内科系)は、将来「院内診療所」として個別対応できるよう、正面玄関とは別に前面駐車場側に出入口を設けています。よく耳にする「お母さんが通院、留守番させられない子供を連れてきて、院内待合で感染されるのが困る」の対処としても、駐車場(車内待ち)の利用次第で有効に機能されそうです。また、夜間の救急対応入口もその並びに設けています。

1・2階の空間的つながりを意識させる吹き抜けも適所に配置(右:2階健診センターから)

1・2階の空間的つながりを意識させる吹き抜けも適所に配置(右:2階健診センターから)

左:開院するとなかなか見学できない手術OP室、右:低層階の屋上庭園/あいにくの雨だったが、心地よい空気で患者さんの気分転換や外部でのリハビリに活用される

左:開院するとなかなか見学できない手術OP室、右:低層階の屋上庭園/あいにくの雨だったが、心地よい空気で患者さんの気分転換や外部でのリハビリに活用される

扉を開けると5床室、閉めると個室になるユニット「多床室的個室群」の特長は、2013年3月28日の当コーナーでご紹介した通りですが、できあがったユニットは窓からの外光と温かみのあるしつらえ、集合できることの安心を感じるものでした。

1室平均3.3㎡、出入口幅は目標2mで通常オープンの「見守り」やすいユニットに

1室平均3.3㎡、出入口幅は目標2mで通常オープンの「見守り」やすいユニットに

ユニットホールの幅は3mを確保、ベッドの回転搬入をスムーズに。5室1ユニットにトイレを1つ設置。

ユニットホールの幅は3mを確保、ベッドの回転搬入をスムーズに。5室1ユニットにトイレを1つ設置。

サイン・色彩計画で、東と西の病棟はオレンジ、グリーンでわかりやすく表示

サイン・色彩計画で、東と西の病棟はオレンジ、グリーンでわかりやすく表示

左:5階デイルームから「棚田」の広がりが目に映る。右:質疑応答での補足/ウォークスルー動画

左:5階デイルームから「棚田」の広がりが目に映る。右:質疑応答での補足/ウォークスルー動画

一通りの見学を終え、質疑応答の時間には、あらためてBIMに関する質問をいただきました。内装カラースキームでは実物仕上げ材のサンプルをスキャン、バーチャルなウォークスルー動画への活用で病院側への設計説明と相互理解に有効活用。一方、施工面では、BIMによる先行検証で作業手戻りを発生させない取り組みにも活かされたことをお伝えしました。

竣工式を迎え、5月1日(木)の開院をめざし準備も進められますが、設計コンセプト~地域の中核病院「生活の場の医療」~として機能し、地域に安らぎと安心を与え、愛される病院になることを願っています。

計画から竣工まで、たいへんお世話になった病院関係者、行政、地域の方々はじめ、工事・施工に携わった関係者の皆さんに心から感謝申し上げます。

 

(安井建築設計事務所 設計担当・広報部)

PAGE TOP