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半田市新庁舎に巨大地震に対応する新たな免震装置「スイッチダンパー」を採用

2011年に起こった東日本大震災以降、あらためて免震構造に注目が集まっています。

当社が2010年のプロポーザル特定から設計を担当し、現在施工中の愛知県半田市新庁舎(2014年12月完成予定)にも新しい免震装置を採用しました。この装置は名古屋大学とカヤバシステムマシナリー(株)およびTHK(株)との共同開発で、ダンパー連結装置「接続型スイッチダンパー(減衰切替ダンパー)」として特許申請中です。

スイッチ機構は、「ダンパーフレーム」と「ベースフレーム」、両フレームをつなぐ「LMガイド」で構成。LMガイドは、転がりを用いてスムーズな直線運動を導く装置で、中~大地震時にオイルダンパーは作動しない(スイッチOFF)。巨大地震が発生するとダンパーフレームがLMガイド上を大きく移動、内蔵されたロックピンがベースフレームの設定変形位置にある孔に落ち、両フレームを固定してオイルダンパーを作動させます(スイッチON)。告示波(※)を大きく上回る南海トラフ巨大地震のような地震動に対しても免震層を安全に制御し、建物と擁壁の衝突を防止することができます。

スイッチダンパーの概要

スイッチダンパーの概要

実際に現場に設置されている半田市新庁舎のスイッチダンパー

実際に現場に設置されている半田市新庁舎のスイッチダンパー

上記説明の通り、2段階ロック式となっており、半田市の場合

①    免震層変形45センチまではロックしない(スイッチOFF)

②    免震変形45センチ超でロック(スイッチON)→オイルダンパーが伸縮し、減衰力が発生

半田市は今後発生が懸念されている南海トラフの震源域に近く、連動地震が生じた場合、東日本大震災を上回る地震規模となる可能性があります。このような巨大地震を受けた場合、擁壁への衝突、免震エキスパンション・ジョイント部の被害も懸念されます。新庁舎はこのスイッチダンパーを設置することにより、南海トラフ巨大地震の大きな地震動を受けても、防災拠点・復興拠点として継続的に機能が発揮できる免震構造となっています。

 

発注者である半田市は東日本大震災以前から新庁舎への連動地震対策の必要性を認識し、免震の考え・地震波の検討を重ねていました。プロポーザルを通じて当社が要望を受け、名古屋大学指導の下に共同開発2社と半田市の全面的なご協力ご理解のもと、設計当初から装置の開発を進めてきました。2011年には実大実験によるロック性能の最適条件を確認しています。

 

今回導入したスイッチダンパーは、将来、想定を上回る大きな地震動を受ける可能性のある既存の免震建物への設置も可能で、非電気的な機構のため信頼性が高く、維持管理が容易であるのと同時に、既製のオイルダンパーを用いるため汎用性が高くコストも抑制できるなどの利点があります。

半田市新庁舎をはじめとし、今後広く検討・採用が図られ、安心・安全な建物と社会づくりの一助になること願っています。

 

 

※告示波 告示1461号に示される工学的基盤における加速度応答スペクトルに適合する模擬地震動時刻歴(継続時間60秒以上)

 

◆9月1日(月):追補

8月31日(日)テレビ放送された TBSの 『夢の扉』で、今回の開発でご指導をいただいた名古屋大学の福和伸夫教授(減災連携研究センター長)が紹介されていました。

番組最後に半田市新庁舎の現場に設置されたスイッチダンパーの前で、(「監修」という立場で)福和教授が取材を受けている映像も流れています。

「減災」という意識を広く人の心に伝える活動を続けられている福和教授。教授の培われた知識・アドバイスがこの装置にも活かされています。

 

(安井建築設計事務所 構造部・広報部)

 

 

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