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あいち小児保健医療総合センター救急棟が完成しました(その1)

当社の設計実績として2003年竣工、中部東海地域の小児医療の一翼を担っている「あいち小児保健医療総合センター」参照:「対話力は設計力」第3号)ですが、より充実した医療体制の整備として「救急棟」の増築計画を愛知県が進め、当社が設計監理を担当しました。その増築工事がこのたび竣工し、2月1日(月)から供用が開始されました。

新たに完成した救急棟は、免震構造で災害時も医療継続できることはもとより、小児集中治療室(PICU)を16床備え、東海3県初の「小児救命救急センター」となります。1月24(日)、現地で県民・一般向けの内覧会が実施されました。

左:キャラクターのオブジェ/右:救急棟入口の受付は物語の中で「駅」に見立て、電車の絵が壁面に

左:キャラクターのオブジェ/右:救急棟入口の受付は物語の中で「駅」に見立て、電車の絵が壁面に

まずは1階、接続される既存の本館から入っていくと、「どんぐりくんとマロンちゃんの冒険~ER治療編」のストーリーボードが飾られていました。本館では診察・治療に訪れた子どもたちの不安な気持ちを和らげるため、随所にアートワークを展開。廊下の壁面などに「どんぐりくん」「マロンちゃん」という可愛いキャラクターが、物語仕立ての冒険をしていく様子がイラストで描かれています。今回の救急棟はそうしたアートワークが踏襲され、本館でのストーリーの続編が描かれています。救急棟を「大きな木」に見立て、1階は「街・大地」を空間テーマにしたイラストを展開しています。また、これらのアートワークは今回も様々な関係者(同センター、医療関係者・メーカー、大学、アーティスト、建築インテリア等)が「療養環境ワーキンググループ」を立ち上げ、様々な専門家との協議を経て実現されたものです。「よりよい療養環境」を創ろうとする同志の協力の結晶といえます。(文末に今回のストーリー、関係者のクレジットを紹介。

本館から救急棟に入ってすぐにレストランがあります。双方から利用しやすい位置にすると同時に、大規模災害等の際には、隣接する災害対策室から多目的室と含め、災害対策の拡張スペースとして計画。医療ガス、非常用コンセントなども備えています。廊下のカーテンウォールガラスは視認性を高め、災害等の際は外部ロータリーと連携・一体感の取りやすい配置となっています。

1階、本館(写真奥)との連絡部分に救急棟入口やレストランを配置。車寄せ・ロータリーは災害時等のトリアージスペースに

1階、本館(写真奥)との連絡部分に救急棟入口やレストランを配置。車寄せ・ロータリーは災害時等のトリアージスペースに

診察室1・2、待合室/写真右奥は計測・トリアージ(問診)

診察室1・2、待合室/写真右奥は計測・トリアージ(問診)

救急棟入口、受付からすぐに計測・トリアージ(問診)があります。インフルエンザなど感染の疑いを確認し、判明した場合は、別区画の感染用診察室で処置が行えるよう、スムーズな動線計画になっています。また、X線装置等の撮影機材にも動物の絵が描かれ、処置中子どもたちの不安な気持ちを和らげるようになっています。

CT室の撮影機材/親子連れ見学者からも驚きの声が

CT室の撮影機材/親子連れ見学者からも驚きの声が

左:X線-TV室、右:一般撮影室の機材

左:X線-TV室、右:一般撮影室の機材

西側(本館の反対側)に救急入口のメインエントランスがあり、入ってすぐの正面壁にアートワークのシンボル、キャラクターが冒険する安心・安全のイメージ絵「大きな木」が迎えます。

入口脇の「初療1」には救急処置器具が、奥には一刻をあらそう場合すぐに手術等できる「初療2」を設けています。

左:初療1、右:奥に用意された観察室

左:初療1、右:奥に用意された観察室

1階の救急入口とあわせ、救急搬送・受入れは空からも行われます。屋上ヘリポートも見学できました。

屋上ヘリポート/小高い丘に立つ同センターから市内360度見渡せる景色に見学者も大喜び

屋上ヘリポート/小高い丘に立つ同センターから市内360度見渡せる景色に見学者も大喜び

 参考/1月18日の開棟式で搬送訓練が催されたヘリコプター

参考/1月18日の開棟式で搬送訓練が催されたヘリコプター

全備重量6.8の機体まで対応でき、ドクターヘリ、愛知県防災ヘリはじめ、愛知県内に基地をもつ全ての救急・救助ヘリに対応しています。同センターへの搬送は、直近約1年で5件。救急科にはドクターヘリでの勤務経験のある医師が3名在籍し、屋上ヘリポートの開設でさらに連携強化が図られるようです。
 
レポートの後半は、(その2)に続きます。
 
【どんぐりくんとマロンちゃんの冒険 ER医療編 ストーリーボード】

ER棟の療養環境アート&プロジェクションマッピング(後半その2:手術ホール)は、以下の協力により実現されたものです。

<助成>:アイシングループ「オールアイシンNPO活動応援基金」、マニュライフ生命保険(株)「子どもの療養環境アイデア募集2014」

<アート製作>:救急棟整備療養環境WG、名古屋市立大学芸術工学部アートチーム「はみんぐ」、金城学院大学、鈴木賢一、遠藤潤一、高野真悟、永利紀美子、井上雅章、特定非営利活動法人子ども健康フォーラム、(株)安井建築設計事務所、(株)エバ、(株)十條、佐藤工業(株)、シーメンスジャパン(株)、島津メディカルシステムズ(株)、(株)光洋、(株)NTT DoCoMo
 
(安井建築設計事務所 設計担当・広報部)

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