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稲敷市新庁舎が開庁しました

茨城県江戸崎町・新利根町・東町・桜川村の4町村が2005年3月に合併して発足した稲敷市。分散していた庁舎・行政機能の集約化を図るため、2009年実施された新庁舎のプロポーザルで当社案が特定され、設計・工事監理に携わってきました。県立江戸崎西高等学校跡地を敷地として新庁舎の建設が進められましたが、4月9日(土)の竣工式典を経て、このたび5月6日(金)に開庁しました。

外観全景。写真※T

外観全景。写真※T

行政機能のほとんどが集約されることで業務の効率化を実現します。少子高齢化をはじめとする同市が直面する人口減少課題等を解決していくため、市民サービスの一層の向上にも期待がふくらみます。
外観は、エントランスがある南側に、PC(プレキャスト鉄筋コンクリート)版とアルミルーバーの二重外壁のデザインが特徴で、免震構造の採用や非常用電源設備の設置など、近年多発する自然災害発生時に市民を守る防災拠点としての機能を強化しています。

アルミルーバーの外装と免震構造で地面と切り離されている

アルミルーバーの外装と免震構造で地面と切り離されている

以下に設計のポイント「4つの視点」をご紹介します。

◆新しい稲敷市の「核」となる新市庁舎
これまで既存4庁舎に分散していた行政機能を集約し、市民が快適に、安心して利用できる新市庁舎をつくることが基本コンセプトになっています。

議会ゾーンを4階におき、議場は木のぬくもりが感じられる内装のしつらえ。写真※T

議会ゾーンを4階におき、議場は木のぬくもりが感じられる内装のしつらえ。写真※T

◆心地よく、わかりやすい市民窓口サービス
エントランスには、2層吹き抜けの市民ホワイエを囲むように市民窓口カウンターを配置しています。この市民ホワイエにはキッズスペース、稲敷市の各種情報が映し出される映像モニターが設置され、福祉・年金相談など滞在時間の長い市民でも心地よく過ごせる空間を設けています。

見通しの良い市民ホワイエ。写真※T

見通しの良い市民ホワイエ。写真※T

市民ホワイエを囲む8本の柱には窓口機能ごとの番号でサインを色分けし、ユニバーサルデザインに配慮した、利用者誰もがわかりやすい市民サービスを提供します。
◆市民の安心・安全を担う防災庁舎
免震構造を採用した新庁舎は大規模災害時にも確実に庁舎機能を維持し、指揮中枢の役割を担います。

正面ロータリーは災害時の重要なスペースとして活用される。写真※G

正面ロータリーは災害時の重要なスペースとして活用される。写真※G

庁舎正面のバスロータリー、太陽光を夜間照明電源とする大庇・防災広場は災害支援物資の受入れ・展開スペースとして、被災した市民生活を支えます。

太陽光発電パネルが設置された大庇。写真※T

太陽光発電パネルが設置された大庇。写真※T

◆市民が集い、誇りを持ち、市民に愛される庁舎
新庁舎は行政手続き目的に限った場ではなく、市民がくつろげるロビー、稲敷の特産品を展示・販売できるマルシェ、障がい者の社会参加を支援するカフェなど、多くの市民が集うスペースを設けています。

議場に隣接された「議場ラウンジ」は体験学習に場に。

議場に隣接された「議場ラウンジ」は体験学習に場に。

筑波山を望む議場ラウンジは小学校2クラスが体験学習できる階段教室となり、稲敷市の将来を担う子供たちが街への誇りと愛着を持てる空間創りとしています。

本庁舎の計画・設計途中、2011年には「東日本大震災」が発生し、防災拠点として様々な協議・検討がなされ、建設に反映されました。この4月に発生した「熊本地震」においては、被災された方々に心からお見舞いを申しあげるとともに、余震も治まり、一日も早い復旧・復興を願うばかりです。当社としても庁舎という建物が「市民の安心・安全の拠り所」であることをあらためて認識するとともに、まずは現在の復旧へ、今後の設計へ、より一層高い意識と取り組みを期するところです。
本庁舎の計画から開庁に至るまで、長きに渡りたいへんお世話になった稲敷市の関係者、市民ワークショップでもご協力いただいた地域の方々はじめ、工事・施工に関わった多くの皆様に心から御礼申し上げます。

 

(安井建築設計事務所 設計担当・広報部)
写真提供:※T:日刊建設通信新聞社、※G:五洋建設、その他:安井建築設計事務所

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