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福岡第1法務総合庁舎が完成しました

2013年の公募型プロポーザル特定から当社が設計を担当し、2015年3月より建設工事が進められていた福岡第1法務総合庁舎。建物は昨年末に竣工し今年年初から新庁舎での業務も開始されていましたが、外構も整備され6月末完成に至りました。

北西:浜の町公園側からの全景。(写真左奥は旧庁舎)

旧庁舎については、福岡法務局、九州公安調査局が入居していましたが、建設時から44年が経過して老朽化が進み、必要な耐震性能も不足していたことから早急な対応が求められていました。また、福岡空港ターミナルに入居していた福岡入局管理局についても、空港の滑走路増設に伴い早急な移転が求められる状況となっていました。そうした懸案事項を解消する新庁舎。敷地は隣接する病院跡地とすることで仮庁舎が不要となり、コストの縮減と事業全体の期間短縮を実現しています。以下に施設の特徴、設計のポイントをご紹介します。

本庁舎は、その性格上から開放性とセキュリティーのバランス、そしてプライバシーの確保の上に、高い「利便性」と「機能性」を成立させることを大きなテーマとして計画しました。

北東から望む

敷地は住宅やオフィス、官公庁施設が混在する多様な街に位置し、西側の「浜の町公園」と隣接しています。このような特性を考慮し、北側に空地(駐車場)を設け、豊かな緑化外構計画とすることで、周辺への日影や風環境の影響を最小限にとどめ、近隣の公園と連携する街のグリーンネットワークづくりに寄与する計画としました。
建物は7階構成として中低層の地域景観に馴染ませながら、入居する3官署それぞれがフロアごとに完結するボリュームを設定。また、各官署への動線・セキュリティーや室利用のニーズに沿って、パブリック・バック動線の明確な分離や、大小スペース・室の柔軟なレイアウトに対応できる変則型ダブルコア形式を採用しました。

南東アプローチより。水平フィンがファサードの特徴となる。

利用者は東側コア・エントランスを起点に、わかりやすい動線計画とともにユニバーサルデザインによってスムーズに庁舎に導かれ、快適に利用できるようにしています。歩行者は東側、車両は西側からアプローチし、明快な歩車分離により安全・安心の外構アプローチを実現しました。
デザインは環境負荷低減や構造計画、そして快適さと機能性を考慮し、色彩・形態ともに極力シンプルに構成。南北面ファサードは水平フィンによる日射抑制とメンテナンス性向上、東西面は最小限の開口部で環境負荷を低減しています。このフィンは建物高さ方向を分節化し、同時にモノトーンのメリハリある色彩計画で全体のボリューム感を低減する効果を狙ったものです。

エントランスホール

1階は内部の様子がわかるよう透明化に徹し、木質化内装により温かみが感じられる空間づくりを行っています。

プロポーザルの特定から計画・設計・現場調整と、完成に至るまでたいへんお世話になった関係者のみなさまに心より御礼申し上げます。今後本庁舎が、さまざまな利用者や職員にとってフレキシブルに、そして愛着をもって快適に利用されることを願っています。

 

(安井建築設計事務所 設計担当・広報部)

 

※写真撮影/株式会社写真通信 八幡輝幸

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