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第15回社内表彰に7点を選定

安井建築設計事務所では、事務所としてより一層の技術力向上を目指し、社会資産ともなる高い品質の建築とサービスを提供することを目的に2005年より社内表彰制度を設けています。このたび第15回として3部門(プロジェクト部門/プロセス部門/BIM部門)から計7点を選定し、表彰しています。
今回のテーマは『心に残る・メッセージのある建築・仕事』。平成最後の年は多くの災害、困難が続いた年でした。移り行く時代、降りそそぐ困難の中で、人に希望を与え社会を変え、明日を切りひらく力のある建築を世に送り出すことで社会の空気を一変させる。建築の設計にはそうした「力」があります。
新たな元号「令和」にうつる日本に、人々の心に残る心象風景をつくりだすメッセージのある建築。その建築を支える技術(設計プロセスやBIMの取り組み)を募集し選定しました。
7点はいずれも今回のテーマに沿った意欲的なものと評価し、何よりもこの取り組みを与えていただいたクライアント各位に感謝し、以下に公表いたします。

 

(プロジェクト名/建築主、各解説は社内評より)

<「プロジェクト表彰」部門>
◆JR九州熊本支社/九州旅客鉄道株式会社

写真提供:住友林業

JR九州熊本支社の新社屋として、鉄道高架下に計画された建物。JR九州は今までにも、地元木材を用いた車両や駅舎などの木質化を図ってきており、本プロジェクトにおいても「CLT」という新たな木質建材を用いて、地場産材による木質化、木造化が行われている。
CLTパネルによる切妻屋根と丸鋼引張材による張弦梁構造で事務所空間に求められる大空間を実現するとともに、木造と鉄骨造を組み合わせることで法的要件をクリアし木質化を最大限いかした内部空間を実現している。
鉄道高架下におけるCLT建築のモデルケースを示したことに加え、これを補助事業として実現したことが新たな事例として評価され受賞に至った。
※設計協力=住友林業株式会社
●関連ページTODAY!(2018/4/5公開):CLT工法採用のJR九州新熊本支社が完成

 

◆伊川谷自動車学院新築工事/ピース実業株式会社

撮影:エスエス津田裕之

神戸市郊外の自然豊かな丘陵地に位置する自動車教習所の建替え計画。
「教習にワクワクする情景づくり」をテーマに、複雑な高低差のある敷地条件をうまく活かして建築と教習コースが一体となった風景をつくりだすことに成功している。浮遊感のある白い帯が屋内外を緩やかにつなぎ、ユーモラスな表情と屋内外が一体となった空間を創出している。
印象的な発着場をはじめとして従来の教習所イメージを脱するデザインや空間が評価され受賞に至った。

 

◆大阪工業大学大宮キャンパス2号館建築学科移転に伴う改造工事/学校法人常翔学園

撮影:AYAMI

伝統と歴史ある大阪工業大学・大宮キャンパスでの大規模な再整備の中で、大学の看板となっている建築学科の学舎のリニューアル計画。
製図室まわりには、床や柱にモジュールが刻まれた「スケールストリート」や椅子や階段のスケールを体感できる「ジュリーコーナー」など、建築学科ならではの様々な工夫が織り込まれている。
また研究室まわりには、共用部とつながるストリートやオープンラボなど、活発な学習・研究の場が用意されている。
建築を学ぶ場としてふさわしい、「建築に夢中になれる空間」を、本大学OBを中心に構成された設計チームの強い「想い」により実現している。

 

◆函館国際ホテル建替計画/函館国際ホテル

撮影:黒住直臣

函館の老舗ホテルの外装を含めた全面リニューアルと、新たに客室を増設するための新棟増築のプロジェクト。
歴史ある函館の街並みに寄り添い、街並みを読み解き、レンガやレトロ様式を現代の素材に置き換えた「レトロモダン」のモンドリアン風格子を基本モチーフとした外観は、函館の新しいランドマークとなることが期待される。
内部にも様々な非日常空間に引き込む工夫が施され、特に長い廊下状のロビー空間のデザインは、設計者の意図どおりホテルへの期待感を生み出していることが評価され受賞に至った。
※デザイン監修および基本設計=安井建築設計事務所、実施設計=戸田建設

 

<「プロセス表彰」部門>
◆YASUI CAMP

写真:季刊誌『有彩』1号・2号表紙

2017年以降、大阪事務所内の若手所員により、自発的な活動を継続して行っている行動力とその意欲が評価され受賞に至った。この1年間の活動でも、有志での海外や国内旅行で見聞を広げたり、事務所改造計画の提案、あるいは大阪国際空港、大阪工業大学2号館、設計部員の自邸などを訪れて設計担当者にインタビューを敢行したりと、モノづくりの楽しさを自分たちだけでなく、社内限定の季刊誌『有彩』という媒体を通して全所員と共有することに努めている。
当社のコーポレートメッセージである「人やまちを元気にする」には、まず我々が元気であるべき、ということを自発的な活動を通して示しており、このうねりが大阪事務所の若手部員だけでなく、他の事務所の全階層に浸透していくことへの期待が評価されている。

 

◆日本電産株式会社生産技術研究所/日本電産株式会社

撮影:スズ・フォト鈴木豊

これまでの日本電産株式会社のCM及び基本設計(構造・設備)業務とは違い、意匠設計に東京大学生産技術研究所の今井公太郎教授を迎え、設計から竣工まで約2年で完成させるという発注者要望を完遂したプロジェクト。
スケジュールの実現に向け、基本設計途中で実施設計・施工者の選定を提案し、ECI方式に切替え、実施設計・施工者を含めたスキームとすることで、スケジュール上課題であった鉄骨発注を基本設計完了時に実現させ、当初工期をさらに2ヶ月短縮し、25ヶ月で完成させている点が評価された。
また、研究所に入る研究内容の異なる複数部門との調整、将来を見据えたマスタープランからの動線の整理などの課題を、発注者や他のプロジェクトメンバーとの調整によりまとめきっている。
※コンストラクションマネジャー=安井建築設計事務所

 

<「BIM表彰」部門>
◆MCP×ECO×FMを機能させる継続的な取り組みとBP-FMシステムの構築
新市立伊勢総合病院において、運営段階に効果的なBIMモデルとパノラマ写真を用いたFMシステムを構築した取り組み。設計段階・施工段階を通して、病院及び施工者、施設管理事業者と対話を重ね、運営を視野に入れたシステムを協働して構築した。
MCP(医療継続計画)マップ、エコマネジメントシート、設備情報(仕様書・図面等)、建物コンセプトを示した取扱説明資料など、利用者ごとのニーズに応じた建物情報をBP-FM(BIM・パノラマ-FM)システムというプラットフォームにまとめ上げた。関係者が一元的に施設情報を共有し、継続的な運営や維持管理に寄与できる。
安井グループの技術をベースに、関係者と協働してまとめ上げた意義は大きく、今後のプロジェクトへの展開も期待される。

 

今後時代の変化に対しては、作品で人や街・社会に力を与えるだけでなく、都市計画、FM、CMなどのコンサルタント業務、プログラム開発といった支援業務など様々な形で社会を変える力、未来を切り開く力が設計者・設計事務所に必要と期待されています。
こうした期待に応えるべく、当社はデザイン・技術を磨き続けてゆきます。

 

(安井建築設計事務所 広報部)

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