撮影:平剛風アトリエ
リノベーション5 目黒区総合庁舎
2003年、現在地に移転した目黒区総合庁舎。1966年に誕生した建築家・村野藤吾の代表作を民間企業から公共空間にするというコンバージョンに、私たちは携わりました。
ビル全体をアルキャスト(アルミ鋳物)で覆った日本初のファサード、オフィスには珍しい螺旋階段、南口エントランスホール天井の、モザイクタイルを施したトップライトなど、庁舎には見どころが多くあります。この春には、災害時の避難場所として利用できるようにと進めていたホールの天井耐震工事も完了しました。
天井全体の構造的な耐震性能を確保するため、吊り天井を固定天井にする改修工事の過程では、天井をすべて撤去し、ドーム状の8つのトップライトも床に降ろしています。当時の詳細な資料がない中、作業は慎重に進められ、石膏ドームは耐震補強後の天井に無事、収められました。
養生によって長く親しまれる建築であり続ける。目黒区総合庁舎はそんなリノベーション建築といえるでしょう。