京都競馬場1
――創業者の精神を現代に受け継ぐ
2023年4月22日、京都競馬場がグランドオープンしました。
1925年、現在の場所に開業した京都競馬場は、1938年に2代目のスタンドが建設されました。この設計を手がけたのが当社の創業者・安井武雄であり、以来、私たちは京都競馬場の改築工事に関わってきました。
妻側から見ると、観客席沿いに上がり、屋根沿いに張り出した放物線状の曲線が印象的なスタンドは、当時の建築雑誌の表紙を飾っています。23メートルの片持ち梁とそこから吊り下げた特別観覧席のゴンドラ、風よけに設置した窓ガラスなど、写真からもフォルムの美しさが伝わる戦前の大建築は、安井武雄の代表作のひとつです。
2025年に迎える100周年の記念事業として進められた今回の改築工事は、円形パドックの優雅さを引き継ぎつつ、競馬場の鉄則である見やすさを追究しました。
機能をかたちで表す――創業者の精神は、5代目京都競馬場にも継承されています。