施設の全体コンセプトは「庭屋一如」。古来より四季の情緒を楽しんできた日本の精神、美しい四季折々の表情を見せる庭園を介して、自然の光や色彩、風が建物に行き渡る空間構成のデザインとした。 建物は鳥羽の海浜風景に溶け込み、和の本質を楽しめる日本庭園を中心に、数奇屋を礎とした上品さのなかに優美で華やかさを兼ねそなえた伝統的日本美を追求した。 パブリックエリアは、そうした数奇屋建築の持つ凜とした美しさを土壁や和紙、石、格子等、自然素材で表情豊かな温かみのある空間を創出し、随所にみられる錫箔や和の文様が空間を華やかに演出している。 設計の意図として、客室は「陰翳礼賛」という日本古来の夜の情景、暗闇の中、ろうそくの光に映し出される屏風絵や襖絵などのような、陰翳をよしとした光環境の演出で日本らしさを助長。良質で豊富な湯量の温泉を、伊勢志摩の美しい海を望む露天風呂、ビューバスを備えた客室で楽しめ、愛犬(小型犬)と宿泊できる客室も備えている。