リノベーション8 奈良市本庁舎
築40年を迎えた奈良市庁舎は、耐震性能の確保、長寿命化、市民サービス向上を目標として、改修工事を実施しました。
耐震化では、居ながら工事の実現・工期の短縮・執務環境の維持をキーワードとして取り組みました。北側外壁面に外付耐震フレームを構築し、工事中も機能停止することなく市民サービスを維持できる計画としました。まちへと開かれた南側のファサードは、竣工当初から市民に親しまれてきた姿を継承しています。
長寿命化では、窓口の配置変更、老朽化した空調設備やエレベータなどの更新、非常用発電機設置に伴う災害時のBCP(事業継続性確保)により、さらなる利便性と安全性を確保しました。また、劣化していた市民ロビーのタイル壁を県産木材のぬくもりあるデザインとし、市民を迎え入れる木の香り漂う明るい空間としてリニューアルしています。
<リノベーションシリーズ>
1 スクラップ&ビルドから、ストック&リノベーションへ
2 40年にわたって積み重ねてきた知見を、将来の設計・改修へとつなぐ
3 守るべきものを守るために、コロナ禍における改修計画
4 築後100余年。リノベーションを経て、まちのシンボルとなった近代化産業遺産
5 建築家・村野藤吾の代表作、目黒区総合庁舎の耐震補強工事が完了
6 地域に開かれた社交場として
7 昭和初期のレトロモダンを再現した、歴史的近代建築