東京国際クルーズターミナルでは、寄港する客船の規模や運航形態によって異なる入出国手続きに対応する必要があります。しかし、海上という限られた敷地条件の中で、多様な利用形態に対応することが求められました。そこで、通常は固定式とされる審査ブースを可動式とし、2・3階を柱の少ない大空間として計画することで、高いレイアウト自由度を実現しました。これにより、乗船・下船時の円滑な入国審査や出国手続きに対応するとともに、利用状況に応じた柔軟な空間運用を可能です。
また、この大空間はクルーズ利用時だけでなく、展示会や文化イベントなどにも活用されており、国内外へ向けて日本の文化や芸術を発信する交流拠点としての役割も担っています。
建築デザインにおいては、波を思わせる大きく反り上がった屋根と吹き抜けによる開放的な高天井空間が特徴です。大きなガラス面からは東京湾や都心の景観を一望でき、利用者に船旅への高揚感と期待感を与える空間が創出され、今日も首都の玄関口としての役割を果たしています。