大阪ガスビルディング

大阪府大阪市

大阪ガスビルディング

清新な手法にあふれた代表作

大阪瓦斯株式会社は1905(明治38)年、中之島3丁目に田邊淳吉の設計で社屋を構えたが、1928(昭和3)年にいたって前面の四つ橋筋の拡幅を契機として移転新築を構想することとなる。ちょうど大阪の新しい中心軸として拡幅工事が進められていた御堂筋に進出することを決断し、東西方向の中心軸であった平野町通との角地に敷地を卜(ぼく)した。安井武雄が設計を依頼され1930(昭和5)年4月に起工、1933年3月に竣工を迎える。外観のデザインでは、1、2階の黒御影石と上階の乳白色のタイルとの対比、放物線断面の柱型の縦のリズムと各階をめぐる庇の黒の水平線との組み合わせなど、複雑な立面操作が快適な秩序感を生んでいる。内部もガラスブロックを大々的に使うなど清新な手法にあふれていた。1966(昭和41)年に佐野正一の設計によって北側に増築されて、当初からの狙いであったワンブロック・ワンビルディングが完成した。 2003年には国有形文化財、日本におけるDOCOMOMO100選に登録された。

建築主
大阪ガス株式会社
所在地
大阪府大阪市
備考
解説:石田潤一郎
撮影
淺川敏

カテゴリ

JIA25年賞2015

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