建築なんでも相談

建築から学ぶこと

2026/02/11

No. 1003

浜松はさらにこれから

浜松は明るい光で満ちた場所だ。晴天率も高いし、楽器やバイク、繊維など、世界でも活躍する製造業の拠点でもある。この周辺は総じて平坦で、交通の便もよく、また地下水が得やすく、これがウナギの養殖と繊維業のどちらにも好都合なのである。その浜松で久しぶりに用事があったので、少し早めに駅に着いて、まず浜松まつり会館で大凧の展示などを楽しんだ。5月開催の祭のクライマックスである浜辺での大凧揚げは、ビデオを見るとスピード感があり、古風な喇叭が会場を鼓舞している。旧警察署庁舎(1928)を使っている鴨江アートセンターはいい改装例だし、この施設の向かいにある木下惠介記念館の前身は浜松銀行協会(1930)を改装したもので、戦前のソウルや大連でも活躍した浜松生まれの建築家・中村與資平(安井武雄の4歳年長になる)が設計した小気味よいデザインだ。
さて、用事とはこの地で90年前に創設された団体の記念行事への参加である。私はある団体の代表者として招かれたのだが、90年前に同じ立場で招かれた村田省蔵という人が、後日「浜松の人は活気があり、一生懸命に努力する人の居るところであります」と報告している。実際に私が立ち寄った先では、みな雄弁で一生懸命だった。製造業に務める外国人居住者も多い土地柄だが、こうした前向きな風土が浜松を成長させる力になっただろう。
ところで、浜松駅に降り立つ(北口)と県庁所在地と同等のスケール感があり、ここからは遠州鉄道に接続している。この大きさは、新幹線開通の折に駅舎が大きく海側に移動したことがきっかけらしく、鉄道用地がすぽっと空いたことで整備が進んだ。しかし街区とのつながりは工夫の余地がありそうだ。村田さんの見立て通りなら、街は今後も成長・成熟してゆくのではないか。

佐野吉彦

浜松の大凧たち

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