千葉県農林総合研究センター新本館は、農林業を取り巻く環境の大きな変化に対応し、組織再編と併せて本場地区内に分散する研究棟を集約するために、新たな研究センターとして新設したものである。 設計に際しては、周辺環境に溶け込み、明確なゾーニングにより、すべての利用者が利用・交流しやすく、将来にわたり柔軟性のある地域密着型の研究施設を目指した。 施設の構成は、県民開放エリアと研究エリアに大きく分かれている。県民開放エリアは、18m×21.6mの柱のない開放的な吹抜け空間とし、仕上げに千葉県産材の木を使用した暖かみのあるインテリアとした。研究エリアは、オープンイノベーションを誘発する間仕切りのない実験ゾーンを中心に構成し、モデュール化した設備配管類の取り出し口により、機器レイアウトの変更に柔軟に対応できる。 外観は、千葉県産材を使用した木ルーバーにより、日射遮蔽と開放のバランス、豊かな表情をもった外装とし、県民に親しまれる研究施設を目指した。