山形市では、 これまで山形市民会館が担ってきた文化芸術の振興に加え、新たに街中の回遊性の向上による賑わいの創出を目的として、公民連携で新たな市民会館の整備事業を進めている。 当該事業の契約事業者は、 山形の自然、歴史、文化、経済が織りなす土壌にしっかり根をはって成長するこの建築と組織形態の総合体として「BIG-TREE」というコンセプトを提案した。一本の大樹の周りには、多種多様な生物が集まり、連鎖し合って一つの生態系をつくり上げる。設計と施工によってつくられる「根」から、運営という「幹」を伸ばし、さまざまな日常的な市民活動の「枝」が成長していくような、有機的な組織を目指している。 市民活動の多様な「種」を拾い上げ、商業・ 福祉・子育てといったまちが必要とする機能を組み込む。また、まちが持つ自然・歴史・文化・芸術を繋げることで、市民の賑わいを生み出すプログラムを設定する。 1階は3方向に開かれたオープンスペースを設け、市民が自由に集い活動できる場を提供する。そのオープンスペースから屋上にかけては、ひと続きの立体構造FLOWを設定し、各階層には市民活動の拠点となる居場所を配置。市民はこのFLOWを通じてウォーカブルに、快適に回遊ができる。2階にはフィルムライブラリーを設け、山形国際ドキュメンタリー映画祭が開催される山形市にふさわしい、普段から映像文化に親しむ人々でにぎわう場所を目指した。2年に一度開催される「山形国際ドキュメンタリー映画祭」では、山形駅からBIG-TREEに至るまで、フォーラムやQ1などの主要施設と連携したイベントを企画し、まち全体を祝祭の舞台として活用する構想も提案している。