山形市では、文化芸術の振興に加え、中心市街地の回遊性向上と賑わい創出を目的に、公民連携による新たな市民会館の整備を進めている。
その名称「BIG-TREE」には、山形の自然・歴史・文化を土壌に、市民活動が枝葉のように広がる一本の大樹のような建築と組織を目指すという願いが込められている。設計と施工によってつくられる「根」から運営という「幹」を育て、多様な日常活動が「枝」として伸びていく、有機的な仕組みを志向。施設には、商業・医療・子育てなど地域に必要な機能を組み込み、文化や芸術との連携も図る。
1階には三方に開かれたオープンスペースを設け、市民の自由な交流を促進。屋上まで連なる立体構造「FLOW」により快適な回遊を可能にし、各階に活動拠点を配置。2階にはドキュメンタリーフィルムライブラリーを整備し、映画祭と連携してまち全体を祝祭空間とする構想も描かれている。