本計画は、新製品の量産化に当たり、実機レベルでの試作ラインを組み、検証する⽣産技術の研究施設である。 敷地はミツカン創業の地・半田市、半⽥運河沿いに⿊壁の蔵が建ち並ぶ場所である。外観はいぶし本⽡による切妻屋根、⿊⾊の外壁塗装⾊を採⽤することで、周辺既存建物との形態と⾊彩の調和を図った。また運河側への圧迫感低減のため、屋根を分節化した。これらの配慮により、周辺既存建物と一体となって、新たな魅力ある運河景観を創出している。 内部計画は、将来の天井⾼変更にも対応できるゆとりのある階⾼設定や、将来の試作ライン変更を想定した床材選定や床荷重設定とするなど、フレキシビリティを⾼めた計画とした。また、ユーティリティー設備幹線ルートを集約し、歩廊を併設した「メカニカルコリドー」も設けた。 またクールピット・ナイトパージの採⽤や、⼤気環境⽊の植樹、⾬⽔流出やヒートアイランドの抑制に寄与する⾬⽔浸透緑地帯「レインガーデン」の整備、太陽光発電パネルの設置を⾏い、環境負荷低減に配慮した。