日本橋野村ビルは、当社創業者の安井武雄が設計し、1930年の竣工から今も東京日本橋のアイストップとして人々に愛されている。 東京日本橋、そして東海道の起点となったこの場所に、野村銀行の東京進出の拠点として堂々と打ち出すに足る迫力あるデザインとすることが建築当時求められた。安井武雄は苦心を重ね、さまざまな建築思想遍歴の末、辿り着いた一つのピークといえる。1階の石貼り、濃い色調に包まれた中間部のタイル、明るい頂部が調和する三層構成とした。特に上層階の装飾性は、モダニズムへ移行する前段階での状況を表現するモダン・ムーブメント(近代建築運動)としてDOCOMOMO Japanに選定されている。