全国で初めて市場棟を重層化(下階・水産、上階・青果)することによって、都心の一角をなす市場の敷地の有効利用を図り、品物の流れ、車・人の動線を詳細に分析し、システマティックで合理的な機能配置を行うことによって、入りやすく出やすい市場をめざした。また、利用者にとって快適な棟内環境を実現するため、自然換気への配慮や適正照度の確保など、環境設計を重視している。大阪市民の台所として、生活に直結した施設にふさわしく、市民から親しまれる市場づくりをテーマとした。機能的には見学動線の整備充実、外観的には巨大なスケール感を緩和するヒューマンスケールのディテールの工夫や、活気や親しみを表現する明るくあざやかなポイントカラーの採用などにより、「市民に開かれた市場」をめざしている。