約10万m²の広大な敷地を有する日本を代表する東京国立博物館の正門がリニューアルされ「上野の森を訪れる人に親しまれ」「博物館を身近に感じられる」場として『正門プラザ』が整備された。 拡張された売札所に加え、敷地への入場ゲートの役割として敷地内主要建物を「一望できるエントランス空間」、「キッズルーム(託児室)」等が設けられ、博物館と公園の接点には無料ゾーンとして、博物館の活動を外に発信する東博の「ショーケース」の役割をもつショップ棟を配置し、待合わせやチケット待ち滞留スペース等としてフレキシブルに使える「ラウンジ」、「ひろば」も新たに整備された。誰でも気軽に利用できる開かれたパブリックスペースとすることで、上野公園を訪れる多くの人にとって、魅力的な「立ち寄りスポット」になっている。 明治5 年(1872年)に創立した日本で最も長い歴史をもつ博物館であり、上野公園から本館に向かう風景は格調ある歴史的景観である反面、閉鎖的で敷居の高さを感じさせる要素にもなっていた。その景観を大きく変えないことと多様化する来館者への対応を前提に、これまで博物館に興味を持たなかった人に対しても、博物館の活動や催しを身近に感じられる「きっかけ」の場としている。