安井建築設計事務所のCSR
私たちは建築設計を核とし、建築にかかわる広汎な活動に取り組んでいます。建築の品質と業務の信頼性を基盤として、社会に対して責任を果たすことを永続的に追求してまいります。また、現代に生きる私たちが次の時代に自信を持ってバトンを渡すために、社会と環境のサステナビリティについて責任を果たすことは重要です。それらの取り組みのなかに人の力を育て、活かす責任を位置づけながら、絶えざる成長を目指してゆこうと考えています。
Ⅰ. 建築の品質と業務の信頼性
長年にわたり、建築設計にかかわるさまざまな専門技術の向上・開発に努め、ISO9001に基づく品質マネジメントシステムを通して、高い品質と信頼性を目指して取り組んできました。引き続き良質な建築設計およびそれに付帯するサービスを追求し、その能力を社会の繁栄のために活用します。
健康で安全な生活の基本である住環境の創造・維持において、建築士事務所は重大な職責を担っています。そのために、企業ならびに所属する社員すべてが職能倫理とコンプライアンスに基づいて業務を遂行します。設計監理を通して蓄積した経験と知識をベースに、さまざまな分野の専門家との間に、信頼のネットワークを構築し、価値のあるソリューションを提供します。
経営の透明性を高めるとともに、プロジェクトに関する情報セキュリティ対策を確実に行い、顧客や社会の高い信頼に積極的に応えます。そのために当社法務・コンプライアンス室では、情報管理体制の強化に加え、社員一人ひとりが持つべきコンプライアンスに関する意識の共有化をはかることで、顧客の信頼に応えつつ円滑な業務推進をはかれるよう努めています。
社員の技術力向上のための教育を充実させ、各階層に求められる知識やスキル習得のための各種研修の主催や参加派遣をおこなっています。
Ⅱ. 社会と環境のサステナビリティ
企業としての社会における価値を高め続けます。建築士事務所として社会において有用な存在であるために、率先して責任を果たし、模範となるよう努めます。さらに、これからの地域や社会がサステナブルであるために、企業としても、またいろいろな専門家と連携しながら、積極的な提言と実践をおこないます。それは最も重要な企業の価値になるはずです。
どの職業の事業活動にもさまざまなリスクがあります。それを事前に的確に把握することで、迅速なリスクマネジメントを目指します。さらに、そのための日常からの事業継続力を高める体制づくりと社内意識共有を整えます。ビジネスにおいては、さまざまな影響の極小化と早期復旧および再発防止に努める取り組みが重要ですが、地域における災害・危険に対しても同じ観点から、企業としての積極的な提言と関与をおこないます。
相互信頼関係に基づき、お互いの技術力の向上を図るとともに、共に成長できる持続可能な関係を構築するために、サプライチェーン全体での付加価値向上に努めます。
地球温暖化は、環境の大きな危機をはらんでいます。低炭素化・循環・自然共生社会の実現を目指して、設計監理業務の中でさまざまな取り組みをおこなっています。一方で、サステナブル社会の実現には、生活やビジネスにおける意識の転換が重要です。その視点から、組織内外のネットワークを通じてさまざまな機会で、市民やステークホルダーとの対話を重ね、啓発を図ります。
Ⅲ. 人の力を育て、活かす責任
社員一人ひとりの個性、多様性に応じて働くことができる環境・制度づくりを推進しています。実務能力向上、マネジメント力の育成の機会を設けるほか、心身ともに健康で働きがいのある職場づくりをおこなっています。
社員一人ひとりが働きがいと誇りを持ち、仕事を通じて成長することを重視しています。そのために年齢や性別、国籍に関係なく活躍できる機会を提供し、また、能力・業績を公平に評価する制度運用・人事配置に努めてきました。半期毎に面談をおこない課題を共有し、個々が自らの目標をもって積極的に業務に取り組むことを促進しています。
所属する社員が、優れた品質を実現することと、家族を大切にすることはどちらも大切です。このふたつの目標を無理なくこなせるように、積極的に支援しています。すでにさまざまな支援制度を円滑に運用しており*、さらに衛生委員会では、統括安全衛生管理者・産業医・衛生管理者を選任し、安全衛生活動の継続的な改善・向上、また、長時間労働面談・健康診断、メンタルヘルスセミナーの実施などにも取り組んでいます。安全で安心して働ける職場環境とは、人が成長するための基盤であると考えています。
*育児休業、子の看護休暇、介護休業、介護休暇、短時間勤務・時差出勤勤務、有給休暇の取得促進、休暇保存制度、テレワーク、確定給付年金制度、確定拠出年金制度、長期障害所得補償保険(GLTD)
女性の活躍推進については、積極的な採用・育成、そして出産後もキャリアを継続できる環境の整備などの諸施策を進めています。さらに外国人社員の積極的採用、国内外のインターンの受け入れ、障害者雇用、定年の引き上げなどもおこなっています。
また、常に健全な職場環境を維持することに努め、各自の人権を尊重し、不当な差別やハラスメントにつながる行為は一切おこなわないよう取り組んでいます。ハラスメント防止研修の実施や人権相談窓口の設置など、企業の社会的責務として課題解決に取り組んでいます。
多様な社内外研修制度やグローバルに活躍できる人材の育成に向けた取り組みを推進しています。育成プログラム・制度として世代を問わず、能力拡大のための人事ローテーション制度を取り入れています。また、ビジネススキル、能力開発を体系的に習得できる全社教育・育成プログラムとして全社員を対象に外部研修制度も導入しています。
Ⅳ. 地域社会とともに
当社は「人やまちを元気にする」をコーポレートメッセージに掲げており、地域の活動への参画や支援、文化の醸成を積極的におこない、CSRで標榜している各項目を実践しながら、社会の繁栄に寄与しています。
「地域連携・社会とのつながりを大切に」との思いから、地元のまちづくり組織に参画、音楽文化の熟成を目的にコンサートを開催しています。
– オープンハウス
大阪事務所(本社)で2008年の開催から2023年で16回目を数える取り組み。地元のまちづくり組織である北大江地区まちづくり実行委員会に参画し、同委員会が毎年秋に主催するイベント「北大江たそがれコンサートWEEK」にも参画・連携しています。
– 地域行事への協力
「生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪」の運営に携わるほか、行事企画・オープンハウスなどに積極参画しています。2020、2021年は新しい生活様式に対応したバーチャル開催となり、当社も「安井バーチャルオープンハウス」として参加しました。
– 地域課題の追究
急激に進む人口減少、少子高齢化社会の時代に都市・建築がどのように変わるのか、近い将来に必要なものとは何か。さまざまなテーマの研究をおこなっています。
– 展覧会の企画運営・協力
2017年に開催された安井武雄展「建築家・安井武雄の創造力-近代大阪の精華-」をはじめ、建築関連だけでなくさまざまな分野の展示企画への図面・資料協力などをおこなっています。
– 音楽文化の醸成:平河町ミュージックス
平河町ミュージックスは、東京事務所を中心に地域と連携しながら、音楽の新しい挑戦を支援し、芸術文化の醸成に寄与しています。2010年より開催、2023年まで51回の公演を重ねています。
– 芸術文化への支援
新型コロナウイルスで大きな影響を受けているアーティストを支援するため、オンラインコンサートの企画、運営マネジメント、オンラインでの開催設営、資金調達への協力をおこなっています。
– 若手アーティストへの支援
「取手アートプロジェクト」や「学生ワークショップ」など芸術・文化への協賛・運営協力をおこなう中で、若い世代の活躍を支援しています。
国際交流を通して、国際的視野、海外文化への理解、国際的に活躍できる人材育成の推進のため、海外研修生の受け入れ、国際会議の運営、海外大学の寄附講座、海外フォーラムでのセミナーや出展に積極的に参画しています。
ヴルカヌス・プログラムや国際建築活動支援フォーラム経由での海外研修生の受け入れ、UIA(2011)、ARCASIA(2018)、Docomomo International Conference(2020+1)などの国際会議の運営協力、ハーバード大学の寄付講座、海外フォーラムでのセミナーや出展に積極的に参画しています。
将来の持続可能な社会、望ましい社会は、次世代によって担われます。その観点から、必要な専門知識や情報の提供、キャリア選択支援、職業観の醸成に努めています。
安井のSDGs
安井建築設計事務所は100年にわたり、企業としての社会的責任(CSR) を果たしながら、建築設計監理を通した社会課題の解決と価値の創造に取り組んできました。
社会から信頼される企業であり続けるために、これまでおこなってきた取り組みの水準をより高め、SDGs が持続可能な社会・スマートな社会の実現に向けて貢献していきます。
認証・認定