灘高等学校 新高校棟

昭和２年に創立された灘中学校・高等学校は、歴史と伝統のある進学校として知られている。新校舎は、灘校の変わらない教育理念・風景に配慮し、「目に見える知性」すなわち伸びやかな知性をデザインコンセプトとして計画した。 既存校舎との調和を図ると共に、住吉川周辺の環境との協調により、歴史ある灘校キャンパスのただずまいを継承している。一方、大きなガラス面と水平方向に伸びる庇の構成により、開放感と先進性を表現している。 １階中央部には半屋外的なピロティ空間を設け、グランドへの主動線とするとともに、中庭に連続した新たな交流と創造の場としている。２階には屋上テラスを設け、ハーブ類による色彩と嗅覚への心理的な効果をねらった緑豊かな空間を設けている。 廊下には生徒や教師が語らうコミュニティテーブルを設け、教室と廊下とを一体的で開放的につなぐ知的空間を構成している。