皇太子殿下御成婚記念「平成館」は、企画展専用の特別展示場を整備することを主目的にして、本館に隣接して造営された博物館である。 昭和の時代に完成した最高の建築技術を駆使することで平成初頭の時代性を有し、平成の時代にふさわしい明るく品格のある記念的な建物であること、上野の森の環境や既存施設と調和する建築であること、さらに長期にわたり、収蔵品を安全に保管・展示できる優れた性能をもつ建築であることを目指している。 「平成の時代性の表現」と「優れた性能の発現」は、設計時点での綿密な検討と、施工完了までの品質管理に対する発注者・ユーザー・設計者・施工者・メーカーの間の緊密なコラボレーションを通じて実現されたものである。 東京国立博物館に於いては、竣工15年後の平成館展示室改修設計のほか、館内他施設のリニューアルや新築を通して日本を代表する芸術文化拠点の価値を次世代に伝える活動を続けている。