鹿児島中央駅ビル アミュプラザ鹿児島

アミュプラザ鹿児島（当社設計：2004年竣工）の開業10周年を機に、別館となる「プレミアム館」を鹿児島中央駅ビルに増築した。鹿児島は「黒豚、黒酢、黒糖、黒焼酎」などの農産物や「黒千代香、薩摩焼、黒切子」の生産品のように、「黒」に代表される文化・イメージカラーが根付いていることから、外観は黒を基調色に採用。駅周辺の主要建物も黒をアクセントにしていること、また、アミュプラザ本館にも利用されている「赤」も調和させることにより、周辺建物・景観となじむ色彩計画としている。外装の花崗岩は降灰に配慮、凹凸を避けたメンテナンスしやすい滑らかな仕上げとし、1、2階にはアースカラーの赤れんがをアクセントに用いた。建物形状は周辺建物が直線を主流としており、調和を保つため奇抜な形を避けたデザインで、物販店舗の面積を最大限有効活用できる矩形としている。内装はプレミアム館の名にふさわしく、大人の落ち着いた雰囲気を表す「白」が基調。1～3階のエスカレーター側面を光壁とし、表面パネルは薩摩切子をイメージしたデザインとした。7階東の窓からは九州新幹線鹿児島中央駅のプラットホームを見下せ、鉄道ファンや地元利用者の「憩いの場」を提供している。市が掲げる「鹿児島中央駅周辺における一体的なまちづくり」に配慮し、個性と魅力ある建物で、にぎわいと回遊性の向上に最大限貢献できる計画としたことは、「第4回鹿児島市景観まちづくり賞」受賞の一評価となっている。