2000年から推進されている首都ハノイ拡大計画の一環として、都心部にある複数の国家大学のキャンパスを集約して郊外に移転することが決定された。新たな大学都市「ベトナム国家大学」は地区面積1,000haにも及ぶ。ハノイ自然科学大学はその第一号プロジェクトであり、大学都市全体をリードする強いコンセプトが求められた。 敷地内には小川があり、その流れは大学都市全体を縦断して複数の大学キャンパスを貫く。その小川を「知恵をつなぐ」要素としてキャンパスデザインに取り込み、9つの学部棟をそれに沿って配置した。小川に架かるいくつかの橋は様々な学術分野の融合を象徴している。川沿いのプロムナード、湖や山を見通す軸など、ランドスケープの要素はキャンパスの外に拡張していくことを想定している。