東京都の都税事務所と水道局の営業所が入居する庁舎の計画である。敷地の西隣には明治神宮、北東には新宿御苑があり、都心にありながら有数の大規模緑地の間に位置している。 東西面に張り出したバルコニーには壁面緑化を施し、地上部に設けることが困難な緑化面積を確保するとともに、外観上の特徴としている。バルコニーの軒天には多摩産木材を採用し、自然素材のファサードによって、周辺環境と連続したみどりのネットワークづくりを試みた。 また、通りに沿って流れる卓越風をウィンドキャッチと自然換気窓によって取り込むことで自然通風を促進し、環境負荷を低減する計画とした。 「ちがいをちからに変える街」をスローガンに掲げる渋谷区にふさわしく、敷地の特殊性を建築の特長に変えることをめざした。