敷地はJR水戸駅などの中心市街地にほど近く、日本最大の藩校であった弘道館や茨城県三の丸庁舎に代表される三の丸歴史地区に隣接している。三の丸歴史地区から離隔を確保しつつ緑を含む緩衝空間を設けて配置し、かつ建物高さを抑えることで、街並みや自然と調和させた。 ファサードは格子・御簾などの伝統的モチーフを組み合わせることで、歴史・景観と調和させつつ、日射の抑制を図った。また、低層部を張り出し透明感のある開放的なファサードとし、開かれた庁舎を実現した。エントランスホールや食堂などの公共性が高い場所は木質化し、来庁者にとって柔らかく温かみのある空間とした。