赤川 貴世友

設計部

工芸科学研究科デザイン経営工学専攻

家具や照明デザインに関心を抱き、インテリア設計に 

建築・設計という分野を志望した動機を教えてください 

大学で空間デザインを専攻した後、大学院でオフィスデザインに関わる研究をしていました。リニューアル前のオフィスで、行動観察やヒアリング、アンケートをおこない、その調査結果を踏まえてリニューアル後の空間のデザインを考えるほか、人のコミュニケーションの仕方がどう変わったかなどを調査・分析していました。

オフィスデザインにおいてはツール(情報機器や家具)、スタイル(運用)、スペース(空間)を一体的にデザインすることが重要だと学びました。また、使われ方を考えて設計すること、人の手に触れやすい家具や照明などのスケールからデザインすることに関心をもちました。

卒業後、オフィスデザインのコンサルティングの仕事をしていましたが、より空間づくりに近い設計の仕事に携わりたいと思い、さまざまな用途の建物のデザインに関わることができることに魅かれて当社に転職しました。

最近の仕事について教えてください 

最近多いのは、図書館の設計です。立命館大学衣笠キャンパスに2016年の春に開館した平井嘉一郎記念図書館は、開架50万冊、閉架100万冊、座席数2000席という国内有数の規模で、計画の初期から参画し、書架や閲覧席のレイアウト、照明・サイン・展示計画など多岐にわたる範囲をデザインしました。建物中央の三層吹き抜けの書架の谷(ライブラリーバレー)はアッパーライトにより、象徴的な空間を演出しています。

また、書架や閲覧デスクに加え、椅子も全席の1/3程度をオリジナルデザインとしています。

地域や社会の資産づくりに貢献 

仕事のおもしろさ、やりがいはどんなときに感じますか? 

自分が関わった建物を訪れた際、多くの人が利用している姿を見ると、建築の仕事に携わってよかったなと思います。組織設計事務所は公共建築をはじめ、社会に長く残る建築の仕事も多く、地域や社会の資産づくりに貢献できることも大きな魅力です。

インテリア設計者は、意匠設計者に比べ、より内部の視点から考えて、建物全体へとデザインを発展させていきます。兵庫県立淡路医療センターでは、スタッフステーションのカウンターの家具のモックアップ検証や、館内のサインのワークショップをおこない、みんなが納得できるものをつくりあげました。家具やサインはオペレーションにも関わるものですが、建物の運用者、使い手自身が気づいていないことでも、実は重要なこともあるので、こうした点を設計に取り入れることもインテリア設計者の役目かもしれません。

トラブルや予期せぬことは日々起こりますが、大切なのは苦難にあっても逃げないことです。建築に携わる設計者はさまざまな条件のなかでバランスをとって、ものをつくり上げています。そういった調整能力の高さも我々が得意とすることだと思います。

利用者のことを考えて設計する会社 

職場の雰囲気を聞かせてください 

創業以来、地域との関わりのなかで建築・設計をしてきた会社には、積み重ねてきた歴史があり、その関わりのなかで仕事ができるのも、当社ならではです。

インテリアは改修の仕事も多いのですが、当社は利用者の使い勝手や、10年、20年後にもメンテナンスがしやすいか、耐久性はどうかを大事にしています。サイクルの早い商業建築に比べ、長く使われる公共的な建築を扱うことが多いので、”10年たっても色褪せないデザイン”を意識して仕事をしています。

今後、どんな仕事をしてみたいですか? 

ホテル設計などの経験を増やしていきたいです。図書館はいろいろ経験してきましたが、インテリアのボリュームが大きくやりがいもあるので、今後も引き続き担当したい仕事です。

入社希望者へのメッセージを

誰もが意見をいいやすい会社です。大学の先輩や同窓生が多いこともあって、転職後、すぐに受け入れてもらうことができました。若い人の意見も取り入れる会社なので、表現したいことがある人には向いていると思います。 

2017.7

他のインタビュー