山岸 隆

ICT・データマネジメント部

工学研究建築学専攻









デジタル系の開発・推進・サポート

建築・設計という分野を志望した動機を教えてください

中学・高校の頃から物理や数学が得意な理系タイプの学生で、漠然と工学系の分野に進みたいと思っていました。高校2年で進路を決める際、理系の中でも大きな建造物を形にして残すことができる、さまざまな分野に関われる仕事だと思い、建築・設計を志望しました。

入社当初はどんな仕事をしていましたか

入社時は設計部の配属でしたが、2020年にICT部との兼務に、2021年からICT専属になりました。入社以前、特にデジタル系に強かったわけではありませんが、ICT部に移ってからはいろいろなツールを勉強しながら、部分的にプログラムの作成などもおこなっています。

ICT・データマネジメント部の仕事について教えてください

ICT・データマネジメント部の仕事は大きく3つに分かれています。1つ目は当社が推進しているBIMなどの最新技術を利用して、設計部の仕事をサポートすること。2つ目がアカウントなどシステム系の管理。3つ目が文書や図面などをアーカイブ化することです。

そのなかで、私はデジタル系の開発・推進・サポートに携わっています。具体的には設計のための3Dモデルを構築する、プログラムで複雑なデザインを設計する、また、アバターを使ったデジタルコミュニケーションなどもおこなっています。

想定通りにいかないことにもおもしろさが

最近の仕事について教えてください

社内の設計部をサポートするプロジェクトの一環として、風・温熱・日射量など環境の解析をしたり、コンピュテーショナル手法を駆使して、建築デザインの検討・サポートをしています。

たとえば設計者から「ランダムなルーバーでものすごく広い外装がつくりたいので、デジタルで一気にできないか」とリクエストされれば、一定のルールでルーバーできるプログラムの作成を検討します。

人間の手ではなかなかつくることのできないものも、コンピュータにルールを与えれば、一気につくることが可能です。解析結果をチェックし、いちばんよい塩梅のものはどれか、設計者と検討を重ねながら作業を進めます。

また、当社はBIMモデル事業にも関わっているので、BIMモデルと維持管理業務を連携した「BuildCAN」の運用検討や、BIMのバーチャル空間への活用も検討しています。アバターで体験できるサービスと組み合わせて、実際にはなかなかできない避難訓練をゲームコンテンツ感覚でできるシミュレーションをつくったりしています。

仕事のおもしろさ、やりがいはどんなときに感じますか?

デジタルは、意外な解析結果を出すことも少なくありません。ただ、理想通りにならなくても、それはそれでよさがあります。人間の想定とは異なる、思いがけない結果にも発見があることが新鮮で、おもしろい点ですね。

自分が何に困っているか、設計のことを知らない専任のプログラマーに説明するのは難しいという設計者もいます。私はもともと意匠設計をしていたので、設計者からも「自分がやりたいこと、悩んでいることをわかってくれる」といってもらえるので、こうした理解の上で、設計者をデジタル面からサポートするのが自分の役目と思っています。

デジタルを活用して、新たな設計を

今後、どんな仕事をしてみたいですか?

今はプログラミングと設計を組み合わせると、いろいろ新しいことができることを発見している最中です。開発は先が見えないなかを手探りで進む面もあるので、今までとは違うルールで検討することを楽しんでいます。

建築分野はデジタル活用への展開がまだまだ期待できる業界だと思うので、デジタルを活用することで設計作業をスムーズにし、今までできなかった新しい設計へとつないでいきたいですね。

入社希望者へのメッセージを

最新の動きに目を向けるのがICTの仕事でもあるので、知らないことに興味を持つ人、新しいツールなどもまずは使ってみて、こんなことが実現できるのかとワクワクできる人、楽しめる人は、ICTに向いていると思います。気後れせずやれば、新しいツールは意外と使えるもので、アナログとデジタルに大きな差を感じる必要はないと思います。

2022.12

コンピュテーショナル手法……高度の数学的手法とコンピュータシミュレーションを取り入れた設計手法

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