小西 聖子

設計部

工学研究科建築学専攻

就職氷河期で同期の少なかった新入社員時代 

建築・設計という分野を志望した動機を教えてください 

理系のなかでもものを創造できる仕事に就きたいと思って、大学で建築を専攻しました。

入社したのは就職氷河期で、ハウスメーカーや不動産、建築を学ぶ過程で培ったプレゼンテーション能力を活かして広告業界に進む同級生もいましたが、やはり設計の仕事がやりたかったので、建築設計事務所を目指しました。

同期は3人、東京事務所配属は私ひとりでしたが、その分、先輩から手厚い指導を受けられました。当時、東京事務所の女性設計者は4人で全員若手でしたが、その後はどんどん増えています。

入社当初はどんな仕事をしましたか? 

最初に担当したのは、静岡県にある食品添加物の新工場の設計の仕事です。その会社にとっても新工場を建てるのはほぼ初めてのことで、マンツーマンで上司の指導を受けつつ、建築の知識がない方たちにも理解してもらえるように資料も丁寧にまとめていきました。

工場の場合、要となるプラントに合わせて建屋の設計を考えなければなりません。プラント設計者は、機械がスムーズに作動することを最優先しますが、そうすると、建物の屋根に凹凸が生じるケースも出てきます。凹凸があると、見た目だけでなく雨漏りの危険性が高まるので、プラント設計者の図面を基に、工場としての機能を維持しつつ外観を整えることが、工場の設計では重要になります。

上司は入社したばかりの私のスキルに合わせて仕事を分担するだけでなく、すべての打ち合わせに出席させてくれたので、最初のプロポーザルから完成まで関わることで、多くを学んだプロジェクトでした。

子育てで得た気づきを設計に活かしたい 

最近の仕事について教えてください 

今、進行しているのは公立高校の設計です。これまでいくつか小学校の設計に関わってきましたが、生徒の年齢によって、設計者としての配慮はだいぶ変わってきます。高校生活の柱になるのは勉強と部活なので、校内にどういう性能・性質の教室や場所が必要かを検討しながら、学習空間をつくっていきました。

設計を担当した公立高校はスポーツ特別強化校に指定されており、部活動の充実を掲げています。そのため雨天でも部活の練習場として利用できるように、正門から校舎、体育館を大屋根でつないでいます。

今後、どんな仕事をしてみたいですか? 

今後も子どもが利用する施設の設計は続けていきたいですね。

2015年に竣工した豊洲西小学校でも、シミュレーションを重ね、想像力を働かせて子どもの居場所づくりをしましたが、開校後に見学に行くと、たとえば階段ホールをギャラリーのように利用するなど、私たちが想定していた以上に使いこなされていて、いろいろな発見がありました。自分の子どもや保育園の子たちの施設の使い方を見ていると、親として感じることも多々あるので、その視点を活かせればと思っています。

効率よく、密度濃く、を心がけ 

仕事と家庭はどのように両立していますか? 

朝の電車内では今日1日、会社でやるべきことを、帰りの電車内では家庭モードにスパッと切り替えて、お迎え、晩ご飯の準備から寝るまでにやることを考えます。切り替えは大事ですね。

今の上司には、手厚いフォローをしてもらっていますが、仕事の連携が上手くいくように、自分の仕事の状況をチームの人たちに把握してもらうなど、普段から風通しをよくしています。

仕事のおもしろさ、やりがいはどんなときに感じますか? 

自分が描いた線が建物になり、長いスパンでみなさんに利用してもらえることは、ものをつくる大きな喜びです。設計者の仕事は、人の居場所をつくることなので、その場所を、どういう人たちがどのように使うか、いろいろな視点から想像することが大切なことだと思っています。

入社希望者へのメッセージを 

若手でも、声を上げればチャレンジできる環境のある会社です。これがやりたいという前向きな思いと姿勢のある人は大歓迎ですね。

2017.8

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