角田 史
マネジメントビジネス部
理工学研究科建設工学専攻
多様な用途、大型プロジェクトに携わりたいと転職
建築・設計という分野を志望した動機を教えてください
中学・高校の頃は航空宇宙を舞台にしたSF小説や映画が好きで、エンジニアが問題を解決していく姿に憧れていたのですが、たまたま高校の副担任だった美術の先生から、安藤忠雄さんが建築を紹介する番組があるので見たらどうかと勧められて。モダニズム建築を取り上げていたその番組で、安藤さんが自分ならどのように作品をつくるか、話しているのを聞いて、建築家もすごい仕事だと思い、大学進学時に建築科を専攻しました。
転職先はどのように検討しましたか?
大学院修了後、学校を中心に公共施設を手がける組織設計事務所に入社しました。ちょうど公立の学校が再編や統合を進めていた時期で、私も公立校の意匠設計を担当しました。学校の設計では、自分の経験や想像を反映しつつ、課題の解決に取り組むことができましたが、徐々に別の用途の設計もしてみたいと思うようになって。東京では再開発ラッシュの動きもあり、大きなプロジェクトに関わることができればと、転職を検討し始めました。
安井を選んだのは、駅や空港、文化施設など、多様な用途の建物を設計している事務所だったからです。また、BIMに強い会社ということで、新たなアプローチを通じて大きなプロジェクトに関わることができればという気持ちもありました。
建築主の希望や思いを引き出し、サポートする
入社当初はどんな仕事をしていましたか?
入社後、設計部に所属して、ホテルや病院の設計を担当しました。収益性を上げるためにどうすればよいか。業界のトレンドを深掘りしたり、運営者にとって使いやすい施設づくりを考えるなど、ホテルの設計で学ぶことは多かったです。
ホテルと病院の設計を通じて気づいたのは、自分は意匠性だけでなく、建物を利用する人々に対するホスピタリティを大事にしたいということでした。ちょうどその頃、上司に打診されて、コンストラクションマネジメントを主業務とするマネジメントビジネス部に異動しました。
マネジメントビジネス部の仕事について教えてください
建築主がどんな建物をつくりたいか。その希望や思いを引き出し、サポートするため、建築主と設計者・施工者の橋渡しをすることがマネジメントビジネス部の仕事です。建築主が、その事業のためにどんな建物をつくろうと思っているか。発注前に詳細なイメージを設計者や施工者に伝えることができれば、互いの理解の上で建設事業を進めることができます。そのために設計や現場の流れを理解している者が、建築主の側に寄り添うことができれば、竣工後の事業運用を含めたサポートが可能になります。
建築はつくって終わりではありません。竣工後、数十年生きていく建物を、よりよく利用してもらうために、運営を含めた全体の流れを俯瞰で見ながら、建築主の皆さんと関わっています。
社会の流れを見ながらビジネスの仕方を考える
仕事のおもしろさ、やりがいはどんなときに感じますか?
建設事業が滞りなく進行するよう、品質、コスト、納期などを考えてマネジメントの枠組みをつくっているので、順調に進むと嬉しいです。ただ、現実には予想外のことも多々生じるので、状況に応じた新たな対応や提案を納得していただけるとポジティブになれます。
関わる業界の動きや社会の流れを見ながら、建築をどうマネジメントするかが自分にとっては大きなテーマなので、それを考えることにもおもしろさを感じています。
休日はどのように過ごしていますか?
登山やキャンプが好きなのですが、遠出ができないときでも、河原に椅子を運んでのんびり過ごしたりしています(笑)。最近しているのは、書店や図書館の書棚をゆっくり見比べることです。学生時代は関心のなかった書棚などを見ることで、社会の流れが感じられるので、まちにいるときはそんなこともしています。
入社希望者へのメッセージを
自分が考えていることを議論できる風土があります。今後、設計事務所がどうあるべきかについても忌憚なく話ができる、そんな会社です。
2024.11