杉山 侑司

環境・設備部

工学研究科建築学専攻

見えないものを見える化する楽しさ 

子どもの頃の夢は何でしたか?

F1が好きだったので、ぼんやりとですけど、車の設計ができればいいなと思っていました。実は工業大学に進学するまで建築に関心はなかったのですが、機械が嫌いじゃなかったので、設計の道に進んだのかもしれません。

大学入学当初は意匠設計をやりたいと思っていましたが、風のシミュレーションを研究テーマにしている先生のゼミに入り、建物における環境・設備の大切さに気がついて。見えないものを見える化することが楽しくて、設備の勉強をするにつれ、その重要性を感じるようになりました。

入社のきっかけは?

大阪が本社で、BIMに強い会社ということに惹かれて試験を受けました。最初に内定をもらえたのが当社で、これは縁だろう、と。組織設計事務所では、いろいろなジャンルの建物を担当できそうだと思ったことも、会社を選ぶ決め手になりました。

入社当初はどんな仕事をしていましたか

1年目にサクラクレパスの新研究棟の設備を担当しました。研究施設は機器類が多く、それをどう設計していくか。難しいことも多かったのですが、上司に確認してもらいながら、基本、概算、実施まで、なんとかやり通しました。大変でしたが、一からいろいろ学ぶことができたので、今ではよい経験だったと思います。

BIMで思い通りの三次元を立ち上げる

仕事のおもしろさ、やりがいはどんなときに感じますか?

設計していておもしろいのはダクトです。ダクトは建物の表側や、デザイン的に見せたい部分には出せません。意匠設計者と相談しながら収まりを考え、調整しながら設計することにやりがいを感じます。

大学時代のゼミの先生から「杉山くんは物事を三次元で見る力があるから設計に向いているね」といわれていたのですが、確かに頭の中で三次元をイメージ出来るし、実際、BIMで設計すると思い通りになるので、それもおもしろいですね。

最近の仕事について教えてください

病院、アリーナ(体育館)、研究所、JRの車庫を担当しています。たとえば病院の排水は系統を分けなければいけないことやアリーナの大空間を空調する方式など、初めて担当する分野の建築では新たに知ることがたくさんあり、それだけでも楽しいです。現場に行けば、施工に合わせて細かい部分を調整することもありますが、僕らが図面に引いた線がかたちになるプロセスもわかるので、現場にはたくさん足を運びたいですね。 建築は始まりから終わりまでかかる時間が長く、入社5年目で竣工した物件はまだひとつだけですが、完成時はどの物件も感動すると思います。

完全ZEBを達成する建物を設計したい

今後、どんな仕事をしてみたいですか?

完全ZEB((Net Zero Energy Building)を達成する建物の環境・設備設計をすることが目標です。今、担当しているプロジェクトは、いずれもZEB認証の取得を前提に設計しています。ZEBの計算や申請はどういう設備を導入すれば環境負荷がどう下がるか、トライ&エラーで検証する必要があります。難しい作業ですが、最初に取り組んだ「久光スプリングス練習拠点アリーナ(仮称)」で、先輩に相談しながら計算から申請まで自分でやってZEB Readyの認証を受けたことが自信につながっています。

裏技なども試しつつ徐々にノウハウを蓄積しているので、自分のサブミッションでもあるZEBのスペシャリストになることを目指しています。

入社希望者へのメッセージを

設計の仕事はコミュニケーションを円滑におこない、物事を取りまとめる力が求められるので、対話力は本当に重要です。あと、仕事をしているとしんどい瞬間もあるので、つらくてもめげずに、その状況を楽しめる人は設計者に向いていると思います。

知らないことを臆さずに聞いてくる人、何でもやりたがる好奇心のある人だと、こちらも教えがいがありますし、そういう人と一緒に仕事がしたいですね。

2022.9

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