湯井 奨三

コスト計画部

建築学科建築学専攻

建築におけるコスト管理の重要性を認識して

建築・設計という分野を志望した動機を教えてください

和歌山の地方の出身で、小さい頃から材木屋さんで両親に木を買ってもらい、彫刻したり机をつくるなど、ものづくりが好きでした。進路を決めるとき、ふと、建物は世の中に残ることに気づき、これは素敵な仕事だと思い、デザイン系の専門学校の建築学科に進みました。

ちょうど僕が学生の頃、建築の予算超過が話題になっていた時期で。よいデザインでも予算が合わずに実現が叶わないという話を耳にして、建築におけるコスト管理の重要性を認識するようになりました。

入社のきっかけは?

そんなふうに自分がコスト管理に関心を持ちだしたタイミングで、当社のコスト計画部で募集があることを知りました。就職先としてデザイン会社、個人設計事務所、施工図を専門に描く会社なども検討していましたが、縁を感じたのもあり、試験を受けるときはここ一本という気持ちでした。

たくさんの図面を見て、多くを学ぶ

入社当初はどんな仕事をしましたか?

基本計画・基本設計段階の概算、予算書の作成、施工者から出てきた見積書の査定。コスト計画の仕事は大きくこの3つで、プロジェクト全体のコスト管理をおこないます。建築は数字の桁が違うので、最初は金額の大きさに戸惑いましたし、専門的なことが多いので、わからないことばかりでした。

積算にはいろいろ基準があります。特に税金を使う公共建築の場合、数量の基準や拾い方(数え方)も決まっているので、入社後は積算基準をひたすら勉強しました。資材の単価は情勢によって変動するので、情勢を反映した値入れをして、予算を提案します。

2年目に初めて長崎駅の駅舎の仕事を担当しました。駅舎は工事工程が難しい建物です。内装や資材など具体的なものは図面に明確に表れますが、中には図面上に表れてこないものもあります。そういうものも予算に組んで計算しないといけないので、それが大変でした。

コスト計画の仕事をする上で、大切だと思うことは?

予算に収めることは大前提ですが、図面を読み込み設計者の意図を理解することが大切だと思います。部署の皆さんは、図面をよく見ています。概算するとき、図面上に見えていないものは抜け落ちがちですが、設計を理解していれば、そういうものにも気づくことができます。

図面から学ぶことは多く、上司からも「コスト計画は経験が活きる仕事だから、とにかくいろいろな図面を見て、たくさん経験を積むように」といわれています。

数字を扱う仕事なので、注意が必要なときは「必ず見るぞ」という強い意思も必要です。入力は人がおこなうのでミスはゼロではありません。ソフトに頼るだけでなく、電卓をたたいて検算するので、個人的には根気も大事だと思っています。

夫婦で映画観賞をして、1日をリセットする

仕事のおもしろさ、やりがいはどんなときに感じますか?

当初は上司に聞きながら仕事をしていましたが、徐々にフローがわかってきて、自分で判断することがだいぶ増えてきました。それは楽しいし、やりがいを感じます。

休日はどのように過ごしていますか?

去年子どもが生まれたので、平日はなかなか手が回らない分、休みの日は子どもの世話をしています。平日は子どもが寝た後、妻と映画観賞しながら話をします。1日の出来事を共有する時間であると同時に、今日も終わったなと1日をリセットする、そんな時間になっています。

入社希望者へのメッセージを

大規模なプロジェクトも多い組織設計事務所なので、硬い感じの会社かと思っていましたが、周囲に相談しやすく、自分の考えも発信しやすい、柔軟に働くことのできる会社です。

設計事務所はいろいろな方とコミュニケーションを取るので、人と話す事や伝えるのが好きな人が向いていると思います。

2022.9

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