建築から学ぶこと

2009/01/21

No. 165

チャンスを呼ぶために

このところ、全体的に消費マインドが後退しているという。この少子化・高齢化の流れの中でどう揺り動かすことができるのだろうか。過剰なプロモーションや有名人の起用に頼っても当面の効果は薄いけれど、少なくとも商業空間についてはモデルチェンジが必至という局面ではある。このことについて、商業コンサルタントの島村美由紀氏が興味深い指摘をしている。<この10年間、商業が面白く変化するための起動力になったのは「不景気」である>というものだ。なるほど、ピンチ「だから」チャンスなのか?

指摘はさらに、<財布の紐をきつく締めた消費者が試し評価し、良いモノだけを支持するという市場の選択が繰り返され、特に1990年代後半からの10年間は、生き残った業種業態が更なる充実度を増して市場で活躍するという商業進化の好循環が生まれた時代であった>と続く。その時代に即したビジネスモデルは長続きするものではないが、島村氏は、希望的な観測として<この不況がややマンネリ化してきた市場に新たな進化の刺激をもたらせることは、すでに「失われた10年」と言われている1990年代以降の商業動向で実証できるだろう>と議論を展開している。

一方で、人は毎年、確実に1歳ずつ老いる。最近のマーケットの空気が違うな、と感じたとしたら、それは自分自身が変化しているからでもあろう。実は、高齢化の問題とは自らの問題であるので、歳をとってもモノやサービスが自分の好みが選択できているなら、それは商業が多世代に向けて活性化している可能性を示している。事業者が、不況を人口構成が変わったせいにするなら、それはビジネスチャンスを見逃していることに他ならないのだ。となると今をピンチ「ではなく」チャンスと見るべきだろう。

さて、今年の初詣や十日戎の賑わいは、例年以上だった。今宮戎の宮司・津江明宏氏は三日の祭礼中、不眠不休で奮闘し、最後は舌もまわらなくなったという。ピンチだから賑わったのではない。運営の熱意が人を呼んだのである。明らかなのは、努力のさきにチャンスがあることだ。

佐野吉彦

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