建築から学ぶこと

2018/10/17

No. 643

ソウルで、UIA大会を考える

昨年、ソウルで開催されたUIA(国際建築家連合)大会から1年。その街で「Symposium for spreading outcomes of UIA2017 Seoul World Architects Congress」という名のシンポジウムが開催された。韓国建築家協会+ソウル市の共催によるもので、大会が何を目指し、どのような収穫があったかを振り返るプログラムである。最初に設定された短い講演に登場した顔ぶれはソウル市住宅・建築局長Ryu Hoon氏、大韓建築士会会長Seok Jung Hoon氏、UIA2011東京大会の運営をとりまとめた私(佐野は当時Commissary Generalであった)、UIA2020リオデジャネイロ大会を率いるRobert Simon氏、UIA会長Thomas Vonier氏。過去の大会、未来の大会を含めた視点があった。
UIAは各国各地の建築家をひとつにするとともに、社会の課題に対する働きかけを推進するところに大きな使命があり、活動の充実が続いている。各国での大会はその節目だが、UIA哲学と地域固有のテーマをいかにかけあわせるかが問われる。UIA2017ソウル大会での官民協力はめざましいものがあったと思われるが、今回の企画も、官民ともに2017年から18年(南北宥和の動きもある局面)をこれからの契機にしたいという、韓国の意思が感じられる。
私は東京大会の運営、特にその年に発生した東日本大震災を受けての対応に触れつつ、大会後に生まれた建築の専門家のさまざまなアクション、すなわちJSB(大会の組織委員会の後継団体)を通じての次世代建築家支援,災害復興のための支援、ランドマーク建築のオープンハウス、そして大会からのゴールデンキューブ賞の開始などを総覧した(JSBやゴールデンキューブの功績は広く知られていた)。戦後日本の各団体によるグローバル活動の広がり、地域での取り組み、UIA2011運営における協働、そして建築士法改正アクションにおける協働などは、重なりあいながら進んできているのだが、2011年はその中で重要な節目になったと言える。そのような話を、私はした。

佐野吉彦

韓国と、5カ国からのゲストたち

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