建築から学ぶこと

2021/11/10

No. 794

この秋を実りの季節にするためには

ピークアウトが見通せなかった夏を過ぎ、202111月の時点では、新型コロナウィルス感染症の流行は一段落したように見えている。海外渡航はまだ自由ではないが、国内移動における制約は緩和されてきた。企業や、地域で活動する団体は少しずつ運営を元の状態に戻しにかかりはじめている。コンサバティブな組織ほど、そろそろオンラインでのコミュニケーションのやりにくさに飽き始めたのだろうか。

後で振り返るために記録しておくならば、まだまだ人々の警戒感は強いので一気にねじは戻せない状況にある。さらに記録したいのは、この1年半ほどでリモートワークや多様な働き方を社会が促したことによって、個人も組織もそれに対応し結果を出す術を身につけた点である。もはや感染拡大前の社会への単純回帰は現実的ではない。それなら、この歳月のポジティブな成長を活かしてゆくべきであろう。たとえばアカデミックなテーマへの遠隔地からの気軽な議論参画、コミュニティにおける多様な世代の自由な発言は新機軸である。それを、止むを得ずオンラインになってしまった状況下での幸運な進化と捉えたい。事情は違うが、クラウドファウンディングによる資金到達がこの局面で大きく浸透したのも、距離の遠さを乗り越える手立てはあるとの認識が深まった証明ではないか。

いまいろいろな分野で、これからの社会は多様な世代を活かすべきとのメッセージが発出されている。もし本気でそれを実現させるなら、集まりかたの旧状復帰にこだわらないのが賢い。同じ形では今まで以上に特定の層に偏る活動を導きかねないからである。ちなみに携帯電話のときと同じように、オンラインへの慣れは若い世代ほど速かった。むしろその流れのなかから、新しい組織やコミュニティのありかたを模索するチャンスにしたいものだ。先ごろの衆議院選挙での各党のビジョンでは、そのあたりはどこも腰が弱い気がした。

佐野吉彦

秋は深まり、知恵も深まる。

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