建築から学ぶこと

2015/11/11

No. 498

会うことと学ぶことの意義

先ごろ、久しぶりに日中・日韓の首脳会談が開かれたが、中台首脳が持った初会談もさらに歴史的な意義があるものだった。いずれも、会談のあとですべてが滑らかになったというわけではないし、どんな課題解決も時間はかかるものだ。それでもトップが事あるごとに顔を合わせることは望ましい。お互いの公的な発言の背景を実際に感じ取ることができるし、相手の力量、スタッフとの信頼関係などをも知ることができる。結果的に外交の打つ手に大きな誤りがなくなるだろうし、もしそこでもう一度会ってみたいと思ったら、時を置いて会うのがよい。同じ相手でも成長・変貌しているかもしれない。会うことで情報も親密さもより確かさを増すだろう。

こうした展開は、現実に進んでいる交易や文化交流が後押ししたとも言える。また環境問題においては隣接国が方向性を共有しないと根本的な対策は打てないことが明らかであり、日本が直面している高齢化社会の問題を、2050年ごろには巨大中国がやがて経験しはじめることになる。日本もまだまだ対処の途上ではあるが、中国は日本の政策や保有技術に早くから学んでおこうと考えているようだ。国境を越えて共有すべきことは多くなっているのである。

地域が連携するしくみをEUからそのまま学ぶことはなくても、アジアらしいつながりかたはつねに探求したいものだ。たとえば、教養面でも、専門教育の面でも共通の教育基盤を整えて、アジアとしての普遍的なものの見方を身につけてゆくことは重要である。インターンシップであっても、単なる観光であっても、一時的な滞在でも効果をもたらす。お互いが親近感を高めあうことにつながるはずだが、限られた時間のなかで相手国の歴史や文化の理解を学ぶ機会、そして教材を積極的に用意することは重要であろう。

佐野吉彦

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