建築から学ぶこと

2018/01/17

No. 606

スポーツのある風景

冬季オリンピックが間近な2018年の年明け。一方では例年どおり、多くのスポーツがクライマックスを迎えている。駅伝・アメリカンフットボール・サッカー・ラグビーなどのトップチームが、年初に覇を競っていた。このなかではラグビーの日本選手権でのサントリーとパナソニックによる、精度の高い、集中力が途切れないマッチ(サントリー・サンゴリアスが12-8で勝利、2018.1.13)が印象深い。また、青山学院大学は、箱根への往復というフィールドに特化したラインアップによって順当勝ちした(箱根駅伝2018.1.2-3)。これらは、プレイヤーがモチベーションを高め、監督がマネジメントの切れ味を見せる瞬間に出会える、幸運な場面だ。おそらく10年前と比べても、ひとりひとりの身体能力も、身体とフィールドに関わるデータマネジメント能力も向上しているから、各チームの取り組み方には確実に進化があるのだ。
いま、どのスポーツもシーズンが長期化している。特にサッカーは切れ目が見えにくくなっているが、明らかに戦いのグローバル化傾向を示している。これは観る層の拡大にもつながっており、平行して、スポーツを楽しむアマチュアの層も厚くなっている。いずれもスポーツビジネスにとってもチャンスであるが、最終的にスポーツは間違いなく都市の機能拡大、スペースの有効活用を誘い出していると思う。
個人的なことながら、フルマラソンを走り始めてから20年を越え、完走も40回を越えた。60歳を越えてペースは上がらないものの、私にとって長年冬がクライマックスであり、大事な節目である。これは同時に、マラソン大会と地域をめぐるさまざまな変化を観察する格好の機会でもある。確実にランニング文化は日本の都市に欠かせない要素になっている。これにさまざまなスポーツが組みあわされば、ボウルダー(米・コロラド州)のような、一年中スポーツと共生するような姿になるであろう。健康な未来である。

佐野吉彦

23年前の震災で傷んだ街も、今は美しく走りやすく:芦屋市

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