建築から学ぶこと

2010/08/04

No. 240

UIA WEEK

7月の最終週は、UIA(国際建築家連合)のすべての理事が東京に揃う、建築界にとって賑わいのある週。26日と27日が第3回「UIA2011東京大会のためのUIA/JOB(UIA2011東京大会・日本組織委員会)調整会議」、28日が「UIA常設委員会(ワークプログラム)委員長会議」、29日から31日までが「UIA理事会」と続く。3年に一度の大会はUIAが積み重ねる活動にとっての節目であるので、UIA本部としては明年の大会に向けて活動の方向性を束ね、日本の建築界が運営責任を担う大会の準備の進捗を確認するという、タフな週だった。

124の国によって支えられるUIAは、多様性によって支えられる。異なる建築思想があり、建築生産プロセスも地域性がある。そのなかでUIAとしての政策を鍛えあげ、適切な基準を提案するのが本領である(「建築実務におけるプロフェッショナリズムの国際推奨基準に関するUIA協定」(UIA Accord on Recommended International Standards of Professionalism in Architectural Practice, 1999など)。出迎えるJOBとしては、東京オリジナルの特徴を打ち出しつつ、力強く継続してきたUIA活動を見えるものとし、日本の社会にもインパクトをもたらす大会にまとめることが鍵となる。

さて、私はこの大会運営を担当する、JOBの運営部会長を務めてきた。2011年が充実することは当然ながら、国際的な関係性は大会後へと続く。これまでもUIA活動に日本の建築界はおおいに寄与してきたが、大会を節目にさらに能動性を発揮できるかたちをつくらねばならないと考えている。そのためには、人と人との間に生まれる親愛の情を活かすのが重要。国際会議は計画的に準備されるものだけれど、新しい時代は予想しない出会いが切り拓くことがあるのだから、いかにネットワーキングの機会を巧みに整えるかもツボだと考えている(このあたり、国内のまちづくりも同じではないか?)。

佐野吉彦

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