建築から学ぶこと

2012/02/15

No. 313

沖縄の春

3大都市圏から那覇まで2時間半から3時間。この時期の沖縄へのフライトは結構満席になる。本土に比べて温暖な1-2月は、修学旅行にもゴルフにも快適な季節なのである。世代はいろいろだが、どのシートも華やいで見える。また、この時期は春季キャンプの季節であり、今年は日韓あわせて15のプロ野球チームが沖縄本島や久米島、宮古島、石垣島などでさかんに汗をかいている。これだけ集結すると練習試合なども組みやすいし、取材陣も掛け持ちでまわることができるメリットがある。サッカーについても日中韓の9チームを数えるというし、個人スポーツも、今年は冷え込む本土から移ってくる向きがあるらしい。

日本国内にある気温の差は、このようにプレイヤーやチームにかかわるスタッフ、ファンを南へと誘い出しているようで、おおいに経済効果につながっている可能性がある。このところ沖縄の米軍基地をめぐる問題にはあまり進展がなく、沖縄発の全国ニュースもどうしてもその話題が繰り返し登場するが、地域はそれだけで停滞しているわけではない。私が1981年に初めて沖縄を訪れたときと比べれば、空港や高速道路などの交通ネットワークは充実し、体育施設の整備もビジネスホテルなどの進出も著しい。このところ明らかにスポーツツーリズムを栄えさせる環境が整ってきている。

沖縄への旅は、これに当地独自の食文化や伝統的技芸が重なりあって魅力を形成するから、ツーリストの満足度は一層高まることになる。よくできた観光地の条件を満たしている点では、ハワイと同じように複数の観光選択肢が備わっている(那覇とホノルルは姉妹都市なのだ)。ただし、都市にある知的刺激や都市の創造性という点では、なお開発の余地はあるかもしれない。いまの流れを活用するならば、スポーツ医学、高齢化社会に対応した医療福祉に関わる研究開発・商品開発についても、この地はさらに可能性が広がるように思われる。何せ、これだけ人が動こうとしている場所なのだから。

佐野吉彦

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