建築なんでも相談

建築から学ぶこと

2026/07/08

No. 1023

バルセロナから世界へ

バルセロナの持つ都市の厚みは素晴らしい。古代から始まる文化の基盤の上に現代の活力がある。ピカソやミロが活動し、カザルスの影響力は世界に及ぶ。サクラダ・ファミリアは今年、主塔の完成に至ったが、ガウディによる数々のランドマークも魅力である。こうして俯瞰すれば、日常的に接するパブリックデザインの質の高さがにわか仕立てではない理由がわかる。
実は私には久しぶりのバルセロナである。古い街区にある包容力のある歩行空間ランブラスは馴染みがあったが、その特質も、この街の現代の都市軸形成に大きく展開していた。このランブラスは世界の街が共有する概念にもなっているくらい、普遍性を持つありようでもある。色々な意味でバルセロナは世界の発展に貢献している。
今回は、UIA (国際建築家連合)の3年毎の大会と総会参加のための滞在だった。UIAの動きについてはあらためて詳報するが、大会とは継続している委員会等の活動の節目でもあり、新たな知恵が提示・議論される機会である。例えば私たちが向き合っているAIについてなどだが、まだ確信には至っていないかも知れない。
さて、この期間の街のあちこちで、あたたかな交流が生まれているのは楽しい。個人的には、先月に台北で過ごした空気を引き継いでいて、新しい交わりとはふとしたきっかけで、優れた建築が媒介して始まるものと実感した。次回の大会は2029年の北京である。こちらも期待ができそうだ。
そしてこの総会で、その中国の建築家ザン・リーさんがUIA会長に、私はCouncil Memberに選出された。ぜひUIAの価値を高めることに寄与したいし、それを日本の建築界とも繋ぎたいと考える。

佐野吉彦

デザインの首都と言える街

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