2025/11/05
No. 990
穏やかな日和が続く11月は、記念日や祭で賑わう。まず11月3日は文化の日で、もともと明治天皇の誕生日である「明治節」。この日に戦後の憲法が公布されたが、施行の5月3日が憲法記念日となり、この日は文化の日となった。なお、日本国憲法第25条では、「1.すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。2.国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」とあり、「文化」への言及がある。建築基準法はこの25条に関連付けられているが、現在は、文化の意味するところはもう少し広がっている。この際、建築に宿る文化的価値をさらにアピールしたいところであるが、折しも、10月の生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪に続いて、11月は京都モダン建築祭が開催されている。
23日の勤労感謝の日は、もともとは新嘗祭。その始まりは旧暦11月第2の卯の日だが、今は米国の感謝祭と時期が近い。1月第4木曜の27日が今年の感謝祭だ(国毎に時期が違い、カナダは10月)。22日と23日の大阪は神農祭で、少名彦神社と薬屋の街・道修町が賑う。始まりは感染症退散祈願だった。12日と24日の「酉の市」は、浅草の鷲(おおとり)神社、新宿の花園神社など関東各地で市が立つ。これらの神社は大鳥信仰(祭神:日本武尊)の流れにあり、堺の大鳥大社は、全国の大鳥神社の総本社である。
こうした祭は、定期的な開催によって、コミュニティを束ねてきた。さて、今月は10日-21日にベレン(ブラジル)で開催のCOP30(国連気候変動枠組条約・30回締約国会議)にも注目したい。今年は京都議定書から20年、パリ協定採択から10年という節目である。パリ協定ではGGGA(Global Goal on Adaptation:適応に関する世界全体の目標)が規定されており、今回はその進捗をグローバルに測定する指標リストの合意ができるか注目されている。また、ベレンはアマゾン河口にあるゆえに、ブラジルは、森林を中心トピックかつ気候変動における重要な解決策と位置づけているようである。
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