安井建築設計事務所
安井建築設計事務所
2025/10/22
No. 988
1945年10月24日に国際連合が設立した。その80周年特設サイトには、「2024年に開催された<未来サミット>において、加盟国は国連を中心としたマルチ・ラテラリズム(多国間主義)を強化し、現在および将来の地球規模の課題に取り組み、新たな機会の恩恵を確保し、既存の枠組み(特にSDGs)の実施を加速させるための大胆なビジョンを打ち出した」とある。その場でグローバル・デジタル・コンパクトと将来世代に関する宣言が盛り込まれた<未来のための協定>が採択された。それは、国際協力を今日の現実や明日の課題に対応させるためのものとの解説がある。
日本では緒方貞子や明石康といった人たちの国連でのリーダーシップがよく知られているだけでなく、様々な側面から活動を支えてきた。前身の国際連盟の非力の反省に立って始まった国連は、やがて力のある専門機関や関連機関と連動しながら、平和の実現、環境目標達成、人間を大切にする社会基盤形成などで成果を挙げている。一筋縄ではゆかない世界情勢ながら、安定的な国際合意を図るためには国連のプラットフォームはよくできている。ちなみに、建築の専門能力や知見は、文化や教育を管掌するUNESCO、国連人間居住において国連の活動に貢献していると言えるだろう。
さて、同じ10月24日は「世界ポリオデー」で、不活化ポリオワクチンを開発したジョナス・ソークの誕生日を記念する日である。国連は天然痘克服の旗を振って成果を挙げたが、ポリオ撲滅は国際ロータリー、UNCEF、WHOなどが連携して、その達成への協力を広く協力を呼びかける形で進められている。広域で感染症と戦うには様々な機関を動かすのは賢明という動きである。もし国連がこの世界に生まれていなければ、このような連携の空気は生まれなかったかもしれない。国連が、あるいは国連の影響力が今後も長く光り輝くことを期待したい。
世界と結ぶ。